遥かなる我が家−12− ページ25
Aはみんなの会話をBGMに、ある写真をジッと見つめる。
「どうした？」
『あ、中堂さん。いえ、なんでも。わたしの気のせいだと思います』
「いいから言ってみろ」
『うーん……ねぇ、ミコト。この写真９番さんの内視鏡手術の痕だよね？』
Aはホワイトボードに貼ってある写真を指差す。
「あ、うん。そうだけど、どうした？」
『ごめん。ミコトの鑑定をは否定するわけじゃないんだけど、これさ……もしかして日本ではレアケースの傷って可能性ないかな？』
言い辛そうに一つ一つ言葉を選んで聞くAに、ミコトはピンときたのか焦りだす。
「あれ？あっ……あっ、どうしよう。ねえ、９番さんの脇腹。内視鏡手術の痕じゃないかも」
「えっ！？」
「じゃ何です？」
驚く夕子と久部にミコトは言う。
「Aの言う通り日本ではレアケースの傷……A、あと中堂さんちょっと付き合ってください」
「あ？」
解剖室へ全員移動すると、９番の納体袋を開ける。
「見た経験が一桁なので確信が持てなくて」
「確かに完治して瘢痕化していれば区別はつきにくい。ここは日本だしな」
中堂の言葉にミコトは落ち込む。
「……やっぱり」
「銃槍だ」
「銃槍？」
銃槍と言った中堂の聞きなれない単語に久部は首を傾げると、夕子は説明する。
「拳銃の弾の傷」
ミコトは悔しさから叫ぶ。
「ああ〜っ！クソっ！」
「クソ？」
「クソって」
『ミコト、クソがうつってる』
中堂の“クソ”の口癖が移るミコトに、夕子と久部は驚く。その様子を中堂は横で少しほくそ笑みながら見ていたのだった。
「銃槍から前歴者を洗ってもらったところ、該当者がでました！町田三郎さん、４２歳。暴行と傷害で前科一犯。長野東刑務所にいた頃の歯の治療歴を取り寄せたところデンタルデータと一致。本人と確認されました」
「ムショ帰りのやくざ者か〜」
神倉の説明に夕子は言う。
「両親は健在ですが、数十年前に勘当したっきり会ってないそうです」
「それにしても、Aさんよく銃槍って気付きましたよね」
「まぁ、Aって帰国子女だしね」
「えっ！？」
ミコトの言葉に久部は驚く。
「あの子英語ペラペラだから」
「そうなんですか……凄い」
そう言った久部の視線の先にはAと、その横に座る中堂が目に映った。
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鞠香(プロフ) - ともみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります！ (2018年3月19日 19時) (
レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ - おもしろい！更新楽しみにしてます！ (2018年3月19日 2時) (レス) id: f743b881db (このIDを非表示/違反報告)
鞠香(プロフ) - 青龍 葵さん» こんにちは。ドラマの疾走感凄かったですね！完結はもう少し先になりますが、それまでお付き合い頂けると嬉しいです！優しいお言葉ありがとうございました。頑張ります！ (2018年3月17日 18時) (レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - あっという間にドラマ終わっちゃいましたが、どのような最後（完結）になるんだろう？中堂さんとの関係は？とか思いながら、まだまだ完結は先かと思いますが無理のない程度で頑張って下さい！更新、楽しみにしてますｗ (2018年3月17日 4時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞠香 | 作成日時：2018年3月11日 14時
