遥かなる我が家−06− ページ19
「うち、一族郎党医者なんですよ」
久部とミコトとAは仕事帰りに居酒屋へ寄っていた。
久部はポツリポツリと自分の事を話す。
「兄２人は大学病院の医者で祖父は開業医でいずれはそこで働く」
久部はミコトのお猪口に日本酒を注ぐと続けて言った。
「だから俺も当然医者になるもんだと思ってて……いつだっけ、中３の時。受験勉強に疲れた事があって」
「うん」
「ホントに軽い気持ちでふざけて父親に言ったんすよ。“俺医者になるのやめた”って。そしたら……“なら私の子供ではない”って。ふざけて言ったのに父親マジなんすよ。本気で言ってて、ああ……俺、この人の息子でいるために医者になんのか〜って思ったら勉強とか分かんなくなっちゃって。それからずーっと分かんないまんまっすよ」
『そっかぁ……でも、親が医者なら子供も無意識に医者になる道を選択してるよね』
「えっ？」
少し驚いた表情の久部にAはにこりと笑う。
『わたしも、久部くんと同じような感じだよ。父が医者で母が歯科医。父方の祖父も医者で祖母は看護師だった』
「そうなんすか？」
「あ、Aのお母さん暫く会ってないなぁ〜昔Aの家遊びに行ったらクッキーとか焼いてくれてさ、それがすごく美味しくて」
ミコトの言葉にAは笑う。
『あはは、懐かしいねぇ』
「なるほど、Aさんの料理の上手さは遺伝ですね」
『そんなの遺伝しないよ〜』
「でも、Aさんは反対されなかったんですか？法医学者の道を選んで」
久部の質問にAは日本酒を一口飲むと言った。
『驚いてた。父も母も。わたしも元々は臨床医希望だったから。でも大学５年の時、法医学に触れる機会があって……凄く“死”について考えさせられた』
「A、」
『昔ミコト言ってたよね。敵は不条理な死だって』
「……不条理な、死」
呟く久部にAは頷いた。
『そう。それが凄く身に染みた事件があって、わたしも法医学者になって１人でも多くの人の死因を究明してこれから生きる人を救いたいって思ったの』
Aのまっすぐな瞳に久部は呟く。
「Aさんも、Aさんのご両親も、立派です。俺は……みっともないっすよ」
『そんな事ないよ』
「腹立つな〜」
『うん？』
ミコトの言葉にAは首を傾げる。
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鞠香(プロフ) - ともみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります！ (2018年3月19日 19時) (
レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ - おもしろい！更新楽しみにしてます！ (2018年3月19日 2時) (レス) id: f743b881db (このIDを非表示/違反報告)
鞠香(プロフ) - 青龍 葵さん» こんにちは。ドラマの疾走感凄かったですね！完結はもう少し先になりますが、それまでお付き合い頂けると嬉しいです！優しいお言葉ありがとうございました。頑張ります！ (2018年3月17日 18時) (レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - あっという間にドラマ終わっちゃいましたが、どのような最後（完結）になるんだろう？中堂さんとの関係は？とか思いながら、まだまだ完結は先かと思いますが無理のない程度で頑張って下さい！更新、楽しみにしてますｗ (2018年3月17日 4時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞠香 | 作成日時：2018年3月11日 14時
