誰がために働く−04− ページ39
言い合うミコトと中堂に、夕子はAを肘で突く。
「うわ〜Aモテモテ」
『もう……中堂さん、手伝うのは良いですけど班には入りませんよ。ちゃんと臨床検査技師がいないと話になりません』
「今、新しい人探してますから」
窘める神倉に、久部は呟く。
「あの……それ、いつからありました？」
久部の指差す先には一枚の紙。
その張り紙を神倉は読み上げる。
「お前のした事は消えない裁きを受けろ」
「脅迫状？」
眉を顰めて言うミコトに夕子は言う。
「金田一少年なら殺害予告」
『怖いこと言わないでよ』
「おとといはなかったです」
「昨日の見学会の間に貼られた？」
「あっ！お前って……誰？」
夕子の言葉にあたりは静まった。
それから解剖も終わり、ミコトは三銃士と奥さんたちに解剖結果を説明していた。
所長とAと夕子は佐野さんの娘をラボの外であやす。
『よしよし、かわいいねぇ〜』
Aは人形を手に持って遊んでいると、その横から夕子は先程の張り紙を手にして神倉に詰め寄る。
「これ、調べて良いですか？」
「え〜？」
「ちょっと気になるんです！良いですね？調べますよ！」
『夕子、気にするね？』
「うん。ちょっとね」
そう話してると、中堂がやって来て、ちょこちょこ歩く２才児をヒョイっと持ち上げるとAに手渡した。
『うわ、中堂さん』
「ちゃんと面倒みてろ。相手はガキだぞ」
『もう、ちゃんとみてますよ！未婚子なしの未経験値で』
その子を抱っこしながら言い寄るAに、中堂は鼻で笑う。
「ふんっ」
『あ、今バカにしましたね？』
「そうじゃない」
『え？』
「似合うと思っただけだ」
そう言って女の子の頭を優しく撫でると、また所長室へ入って行った。
『何が似合うの？』
そんな中、賠償金を払いたくない三銃士たちからヒートアップした声が聞こえてきて、Aは慌てて移動した。
『ごめんね、うるさかったね』
女の子を抱っこしながら、長男の佑くんと久部がいるところに行くと、久部は苦々しい顔で言った。
「子供の前なのに」
『ほんと。辛いね』
Aの呟きに久部は居ても立っても居られず、会議スペースに入り込んだ。
「あの！子供の前で辞めませんか？」
結局、細胞の詳しい鑑定にはホルマリン固定するのに最低５日の工程がかかる
そうしてその日は、責任の所在はハッキリせずに解散となった。
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カハラさん(プロフ) - 中堂先生のお話ないかな〜と探していたところ、こちらに辿りつきました。とても楽しいです！そして胸キュンしてます。ステキなお話を作ってくださってありがとうございます。 (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 1af5439158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 質問よろしいですか？ (2020年12月26日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞠香 | 作成日時：2018年1月31日 23時
