予定外の証人−12− ページ31
ラボで久部から事の経緯を聞く、A、中堂、ミコト。
「だから金目当てと言えばそうなんですけど、行き先の見えない不安とかそういうのもひっくるめての訴えで」
「あいつの不安なんか知るか」
一蹴する中堂に久部は反論する。
「中堂さんが坂本さんとうまくやってさえすれば、坂本さんだってこんな事する必要なかったんですよ」
「うまくやるっていうのは何だ?ありがとうだの、素晴らしいだの誉めそやして仕事しろっていうのか」
中堂の問いにミコトが答える。
「それがコミュニケーションです」
「したくもない。自分の仕事のモチベーションくらい自分で保て。話にならない」
『でも、話をしなきゃ解決しないですよ』
「本人と話をさせろと言ったら拒否された。どうしろって言うんだ」
「中堂さん……私たち協力しませんか?窮地に立たされた今こそ、協力」
何か秘策があるのか、ニヤリとミコトは笑った。
それからミコトは弁護士へ連絡し、夕子は所長を連れてくるとミクロリサーチ社の本社へ連絡させようとする。
久部がミクロリサーチ社にホルマリン溶液を届けに行ってるのでそれを明日の公判までに元素分析をして欲しいと。
「私でなんとかなるかな〜」
イヤイヤと言った様子の神倉に、夕子は言う。
「何のための元厚労省ですか!天下りの力を今使わないでいつ使うんですか」
「私は天下りではありません!」
「誤魔化さなくていいですよ〜」
「だから違うと」
「クソうるせえ」
『中堂さん、またクソが出てますよ』
騒がしいラボ内に悪態を吐く中堂をAは嗜める。
そんな皆の協力の甲斐もあり、次の日の公判を迎える事が出来るのであった。
.
1198人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カハラさん(プロフ) - 中堂先生のお話ないかな〜と探していたところ、こちらに辿りつきました。とても楽しいです!そして胸キュンしてます。ステキなお話を作ってくださってありがとうございます。 (2021年2月23日 8時) (レス) id: 1af5439158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 質問よろしいですか? (2020年12月26日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鞠香 | 作成日時:2018年1月31日 23時