名前のない毒−02− ページ2
UDIラボの方では、高野島渡(35)男性の解剖が終わり、検査の判定を待っていた。
「結果出たよー」
「東海林、どうだった？」
「クレアチニンが通常の３倍。急性腎不全で間違いないね。あと、毒は何も検出されなかった」
「そっかー」
がっくり項垂れるミコトに、少し静かになるオフィス。
そんな時、後ろから突然声が聞こえた。
『お疲れ様です』
その声に久部は振り返ると、その人物から目が逸らせなくなってしまう。
白い肌に、艶やかな髪。
パッチリとした瞳に凛とした声。
華奢な身体を包む、黒いパンツスーツの上からでもわかる脚線美。
「(うわ……なんだ、この美人)」
久部が固まる横で２人は笑顔になる。
「A！おかえりー！」
「待ってたよー！生八ツ橋！」
ハグしてくるミコトと夕子にAも笑顔を零した。
『もー、夕子は食べ物優先？』
「あはは、ごめんごめん」
「元気だった？どうだった？京都」
『ミコトも元気そうでよかった。京都では無事に研究出来たよ。あとでみんなにも資料配るね』
「うん、ありがと」
キャピキャピするアラサー女子たちに、久部は恐る恐る声をかけた。
「あの〜……そちらの、女性は？」
「ああ、そういえばAとは初対面だっけ？……あっれぇ〜？久部くんなんか顔赤くない？こういうのがタイプ？」
にやにやして聞く夕子に、久部は慌ててメガネをかけ直す。
「い、いや、その、そうじゃなくて」
からかう夕子に対して、ミコトは優しく声をかける。
「久部くん、こちらは私と同じくUDIラボの法医解剖医のAA先生」
「で、こっちが最近入ったアルバイトで記録係の久部くん」
夕子の紹介に、Aはにこっと笑う。
『そう言えば、所長がアルバイト雇うとか言ってたもんね。久部くん、只今紹介に預かりましたAAです。よろしくお願い致します』
「いえ、こちらこそ。アルバイトの久部六郎です 」
差し出された白い手に、自分の手を重ねて握手をすると、ひんやりとした感触とすっぽり収まる小さな手に、女性らしさを感じて思わず気恥ずかしさから久部はまたメガネのブリッジを指で押して顔を隠した。
「ここに解剖医って３人いたんですね。A班もあるんですか？」
辺りを見回してキョロキョロしながら聞く久部に、Aは小さく顔を横に振る。
『わたし班をもってないの。中堂班と三澄班で人手が足りない方をその時にどちらか手伝う感じかな？』
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カハラさん(プロフ) - 中堂先生のお話ないかな〜と探していたところ、こちらに辿りつきました。とても楽しいです！そして胸キュンしてます。ステキなお話を作ってくださってありがとうございます。 (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 1af5439158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 質問よろしいですか？ (2020年12月26日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞠香 | 作成日時：2018年1月31日 23時
