【名探偵コナン】重なる未来４ (ページ25)

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その167 ページ25

徹夜の影響で、県警の仕事中もあくびが止まらなかった。降谷さんにこれでよく公安が務まるなとか怒られそう。

敢「おい羽田、あくびばっかすんな。移るだろ。」

『すみません。』

敢「また酒でも飲んだのか？」

『飲んでません。そんな酒豪じゃないですよ。』

上「でもなんか眠そうよ。」

『ちょっと寝不足なだけです。』

敢「またサボられても困るし、上原の淹れた不味いコーヒーでも飲んどけ。」

上「失礼ね！確かにAちゃんの淹れたコーヒーよりは不味いかもしれないけど！」

上原さんのコーヒーは普通においしい。別にコーヒー豆から作ってるわけじゃないんだし、誰が淹れても味は同じだと思う。

近くに置いてあったカップを取ってコーヒーを一口飲んだ。やっぱり味の違いなんてわからない。

上「あっAちゃん！それは…」

『このコーヒーがどうかしたんですか？まさか毒でも入ってるとか？』

上「いや、違うけど。そのコーヒー、ついさっきまで諸伏警部が飲んでたの…」

『え…嘘…』

諸伏警部が飲んでたコーヒー⁉確かにカップの中にはコーヒーが半分くらいしか入っていなかった。

置いてあったコーヒーがまさか諸伏警部の飲みかけだったなんて、なんでよく確認しなかったんだ！

『あ、でも、口をつけた位置は…』

上「全く同じ場所よ。」

やってしまった間接キス…口をつける位置なんてカップのふちの円周上こんなにあるのに、なんで同じ場所に口をつけたのだ私は！

上「よかったわね、間接キスできて。」

『け、決してわざとじゃないんです！偶然なんです！』

上原さんに直接言われてさらに恥ずかしくなる。本当にこれはわざとじゃない。

その時、ちょうど諸伏警部が帰ってきた。なんでこんなにタイミングよく…

上「諸伏警部、ちょうどよかったわ。Aちゃんがね、諸伏警部が飲んでたコーヒーを飲んじゃったのよ！」

『ちょっと上原さん…！』

本人の前で言わないで！穴があったら入りたい気分だよ。

諸「え、Aさんが…？」

賢い諸伏警部なら私がしたことが何を意味しているのかわかるはず。

偶然だって言っても今の状況だとわざとらしいし、このままカップを返したらダブルで間接キスすることになる。

腹をくくった私はカップに残っているコーヒーを飲み干した。上原さんと完全に空気になっている大和警部、そして諸伏警部の前で。

恥ずかしさでその場にいられなくなった私は、カップを持って諸伏警部と顔を合わせないまま給湯室に逃げた。