【名探偵コナン】重なる未来４ (ページ15)

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その158 ページ15

スーパーに入ると迷わずお酒コーナーに行き、ウイスキーの棚からスコッチとライを取ってカゴに入れた。

スコッチはヒロの、ライは秀一兄さんのコードネーム。組織は嫌だけど、二人もコードネームをもらっていたのなら飲まないわけにはいかない。

そういえば前に応援要請で東京に行った時、クリス・ヴィンヤードを名乗るお姉さんが私にベルモットは好きかと聞いてきた。

あのお姉さんも組織の人らしいから、お姉さんのコードネームは恐らくベルモット。

ということは、私が好きだって言ったバーボンもどこかにいるのかな。これも秀一兄さんに聞いてみないとな。

家に帰って晩ごはんを食べてから、グラスに氷を入れてスコッチを注いだ。一口飲むと、私の好きなバーボンとはまた違った味わいがした。

スコッチを飲みながらスマホを手に取り、秀一兄さんに電話をかけた。帰ったら連絡しろって言われてたからね。

赤「Aか。家に帰ったのか？」

『うん。』

赤「例の件はどうだった？安室くんは納得してくれたか？」

『うん、納得はしてくれたけど、彼氏候補の人のことがバレた。』

赤「そうか。それで彼は何と言った？」

『長野で公安の仕事ができるように取り計らうって。だから長野を離れなくても済む…』

赤「よかったじゃないか。」

『でもね、降谷さんから告白された…』

赤「それで心が安室くんに移ったのか？」

『違うの。私の心は動いてない。ただ、12年間も私のことを好きでいてくれたのに、私は全く気付いてなくて…それなのに降谷さんは私のわがままを受け入れてくれて、なんだかすごく迷惑かけてるなって思って…』

赤「男とはそういうものだ。惚れた女の頼みは何でも聞いてやりたくなるものなんだ。」

『降谷さんも似たようなこと言ってた。好きな人には幸せになってもらいたいって。』

赤「ならAは安室くんの想いを踏みにじらぬよう、幸せにならないとな。」

『そうだね。』

スコッチを飲み終えて、次はライをグラスに注いだ。

『ねぇ、お兄ちゃんに聞きたいことがあるんだけど。』

赤「なんだ？」

『彼氏候補の人、実はヒロのお兄さんなんだ。私がヒロと付き合ってたことはその人も知ってるんだけど、本当にお兄さんと付き合っていいのかなって…』

赤「それはスコッチへの罪悪感か？」

『それもあるけど、お兄さんへの罪悪感もある…』