その129【怪盗キッドの絡繰箱編】 ページ35
誰でも自由に触れる…あの奥さんは怪盗キッドの力を利用して何としても箱を開けたいんだな。
箱の開け方の書かれた紙は何かの本に挟んで仕舞ってあるらしい。それならむやみやたらに箱をいじるより、その本を探した方が早い。
次郎吉さんにこの事を提案しようとしたら、沖矢さんが私の考えていたことと全く同じことを提案した。
アデュラレッセンスの時もだったし、どうやら私と沖矢さんは考え方が似ているみたい。
次「その書斎に置かれていた本なら全て寄贈してもらい、この部屋にまとめてあるぞ!」
小「んじゃみんなが手分けして探せば…っておいおい!まさかこれ全部⁉」
部屋に入って驚愕した。天井まで届く本棚に本がぎっちり並べられている。ざっと見積もって一万冊らしい。
図書館スタッフが丸一日かけて探したけど見つからなかったのなら、分野を特定して探した方がいい。
奥さんのご主人は不慮の事故で亡くなったため、紙の隠し場所を変えたということはありえないらしい。
それと、ご主人は紙を見つけられたら箱の本当の中身も見つけられるはずだと言っていたそうだ。箱の本当の中身とは?
沖「本当の中身という事は、あの絡繰箱には月長石の他に何か入っているんでしょうか?」
また沖矢さんと考えていることがシンクロした。やっぱり思考回路が似てるんだな。
奥「さ、さあ、私は開けたことがないのでなんとも…」
奥さんは恥ずかしそうに言った。本当の中身は人には言えないものなんだろうか。
小「奥さんが普段手に取らないような本に挟まってんじゃないっスか?」
奥「そうですねぇ、私が読まないのは人が亡くなるミステリーとか、恐ろしい怪奇小説とかでしょうか…」
ミステリーと怪奇小説!私の得意分野で助かった。次郎吉さんが指差した辺りには大量のミステリー本があった。
小「んじゃまずはそこから…ゴホゲヒガヘゲホ!」
蘭「探す前に病院で出してもらった咳止め薬、トイレで飲んでくれば?」
園「見てるこっちが辛くなるわ。」
哀「薬飲むなら飲み物の自販機、ロビーにあったわよ。」
小「ヘイヘイ。」
阿笠「トイレに行くならワシも!」
コ「ボクも!」
3人がトイレに行ってしまったけど、本棚から本をごっそり取り出して一冊ずつチェックするか。
蘭「園子、私たちもトイレ行っとこ?」
園「そだね。あっ、蘭先に行ってて!」
本を取り出そうとしたら、園子ちゃんに呼び止められた。
園「ねぇAさん、ちょっといいですか?」
『ん?』
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月28日 18時