天国と地獄 ページ23
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ついに来てしまった。
夏祭り当日。
少し早く集合して、浴衣を身にまとい髪の毛をセットして由香と待ち合わせ場所に立つ。
由香は白地にピンクの花、私は黒地に水色の花。
そんな対照的な浴衣。
辺りは既に薄暗くなっていた。
「まだかなー照くん、」
鏡で前髪を直しながら辺りをキョロキョロ見渡す由香はどこから誰が見ても可愛い。
近付いてくる人影を感じて振り返る。
「ねえねえ、君たち可愛いじゃん俺らと花火見ようよ」
「待ち合わせしてるんで〜」
簡単に返事を返す由香。
「俺、君めちゃくちゃタイプなんだけど」
もう一人の男性に手首を掴まれる。
「連れて帰って浴衣脱がせちゃいたいな〜？」
気持ち悪い。
佐山先生が頭をよぎる。
…やだ、たすけて岩本くん。
「離せよ」
「は？お前誰だよ」
「こいつ、俺のなんだけど。気安く触ってんじゃねーよ」
ふわっと抱きしめられて、取り返すかのように頭と肩に添えられた手から熱が伝わる。
それに加えてこの声、匂い。
さっきまで恐怖に怯えていたはずの心は、激しく高鳴り始める。
『…岩本くん』
「遅くなってごめん」
抱き締めたまま小さな声でそう言った。
「あ、おったー！って何してるん？あ、警察呼ぼか？」
康二はわざと大きな声で呼び掛けて近寄ってきた。
「チッなんだよ男連れかよ」
「…おい、いくぞ」
男の人達は逃げていった。
そしてそれを見送ると、岩本くんの匂いが離れた。
…もう少しそのままが良かった。
「大丈夫？腕、痛くない？」
『…うん、大丈夫。ありがと』
由香が不安そうな目でこちらを見る。
本当は岩本くんにもっと触れたいし、触れられたい。
でもそうはいかない。
「…じゃ、いこっか！」
由香は迷わず岩本くんの腕に絡みつく。
「ちょ、高澤…」
私に牽制するかのように。
そっと目をやると、岩本くんも康二も浴衣を着ていた。
二人ともすごくかっこいい。
一歩歩く度に女性達が振り返る。
さっき触れられた場所が熱くて、由香は岩本くんにわかりやすいくらいに密着していて、今の私には岩本くんの背中を見つめるしか出来ない。
…岩本くん、なんでさっき「俺の」なんて言ったの？
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momo(プロフ) - うな！さん» そう言っていただけると執筆意欲が湧きます🫶ありがとうございます！！！ (6月6日 21時) (
レス) id: b42494bf86 (このIDを非表示/違反報告)
うな！ - マジで最高すぎます！！！！続きが楽しみすぎる…！ (6月6日 18時) (レス) @page18 id: 4785f44992 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - さーちゃんさん» ありがとうございます(><)探り探りではありますが、もっとキュンキュンして貰えるように頑張ります🥰 (6月6日 12時) (レス) id: b42494bf86 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - キュンキュンします😍更新楽しみです😊 (6月6日 11時) (レス) id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momo | 作成日時：2023年6月5日 2時
