溺愛シンドローム。【まふまふ】

22匹目 ページ22

それから数週間。







僕は学校に行かなかった。









君に会ったら抑えた何かが溢れ出しそうな気がして。






君の姿を見たら抱きしめてしまう気がして。






何より







会った時に君に拒絶されるのが怖かった。









「1人に……しないで。」








ぽつり、と呟いた独り言は静寂に消える。









君に会いたいのに








声が聞きたいのに









「君といられない人生なんていらない…。」









もう何も望まないから。









欲張らないから









君の傍に君だけのために生きたかった。









考えれば考えるほどマイナスな方向に走ってしまい寝よう、と布団を被る。









ピンポーン、と軽快な音が鳴る。



生憎親は仕事でいないので僕が出なきゃいけない。









相手を確認するのも面倒くさくてガチャ、とドアを開ける。








「どちらさ＿＿＿」








なんで。







どうして。









『こんにちは、まふくん…。』









どうして、いるの。









「…なんでいるの。僕に何か用？笑いに来たの？」









口から出る言葉は君を傷つけることばかり。




違う。こんなことが言いたいんじゃない。









『ねえ、どうして学校来ないの？』







「君には関係ないでしょ。」







『…天宮くんが教えてくれたの。まふくん私の事好きって。』







「…だから何。」









『私ね、天宮くんに告白したの。そうしたら言われたんだよ。君の好きな人は僕じゃないでしょ？って。』









話の意図が掴めない。







Aちゃんは何を伝えたいんだ？









『私、まふくんのこと好きだって、遅いかもしれないけど気づいたの。』






「…同情なんかいらない。僕のこの汚い心も考えも、知ってるでしょ？」






『同情なんかじゃないよ。ほんとに、好きなの。』









『もう、名前呼んでくれないの？"君"じゃ嫌だよ。ねえ、まふくん。









好きです。付き合ってください。』









心に小さな明かりが灯った気がした。





ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

次回で最終回だと思います…！！！
新作3作品くらい考えてるのでどれにしようか迷い中ですよろしくお願いします(？)

23匹目→←21匹目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す