世界が嫉妬する恋

♡ ページ23

.





「あ、Aちゃん」

「ひら…紫耀くん！」



映画ういらぶ の撮影日
ブレザーを着てクールな雰囲気を纏った彼が少し眩しい。



あのメッセージから数日経ち、お言葉に甘えて紫耀くんって呼ばせてもらう事にした。共演者と親交を深めるのは大事だもんね。


そしてこの日はお互い映画撮影の後はオフになっていて”飲みに行かない？”とお誘いを受けた約束の日。
変に紫耀くんを意識してしまうのが情けない。




「Aちゃん制服似合ってる、可愛いね。」

「あっ、え、そうですか！？
紫耀くんも似合ってます！さすがアイドル…」



ストレートな褒め言葉に頬が赤くなる。

思わず吃りながらそう返すと「Aちゃんもアイドルでしょ」と笑う紫耀くん。オーラが違う…




何だか最近、紫耀くんは私に優しい。

優しいのはいつもの事だし、当たり前なのだけど…なんて言うか私を見つけたら必ず声を掛けてくれて可愛い 似合ってるなど褒め言葉をくれる。



職業柄言われ慣れた筈なのに紫耀くんから言われるのは心臓に悪い。


それに、自意識過剰なのかもしれないけど心做しか紫耀くんの視線が甘い…気がする。鈍感鈍感と言われまくった私でも感じる位に。




「よーし…今日はAちゃんと飲みに行けるから頑張る！」




でも


そんな弾けた笑顔で言われたら


少しだけ、期待してしまう。

♡→←♡

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す