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炎柱様、煉獄様、煉獄さん、杏寿郎様、杏寿郎さん
後ろから一つ目と二つ目は無しだ。きっと呼んだら周りから私怨で殺される。
炎柱様と呼ばれるのはお気に召さないらしいから代替案を出さなければいけないが、なかなか良いのが思い浮かばない。
心の中では煉獄さんと呼んでいるけれど、口に出す時は炎柱様。
色々呼び方を手帳に纏めてみるけれど、無難なのはきっと 煉獄さん なんだろう。でも、言いづらい…。私なんかが親しげに 煉獄さん って呼んで良いのか?
徹夜明け四日目の脳はやっぱり疲弊し尽くしている。でも身体は動くからまだ大丈夫だろう。平均睡眠時間三時間をなめないで欲しい。
万年筆をくるくると回しながら私は今煉獄さんの呼び方について考えているのだ。かなり難航している。
「煉獄さん…煉獄様…杏寿郎様___」
難しい。どれもしっくり来るけどしっくり来ない。私みたいなぺーぺーの三流医師が煉獄さんの名前を気安く本人の前で言える訳がない。炎柱様と呼ばせていただいているだけでもう光栄なのに。
「呼んだか?A」
「え、炎柱様⁈…どうなされましたか」
急に耳元で声が聞こえたから心臓が飛び出そうなほど驚いてしまった。右耳を抑えて振り向くと、煉獄さんが面白そうに笑っている。
「痛み止めが切れたから来たんだ。他の者に君の居場所を尋ねたら、此処だと言われた」
「な…、駄目ですよ。まだ安静にしていなきゃ。まだ傷が完全に塞がっていないんですから」
なぜこの人の傷の回復は異常なまでに早いんだろう。普通こんな重傷だったら痛み止めが切れた瞬間激痛で床に転がり落ちる程なのに。
痛み止めを棚から取り、三日分を紙に包んだ。
「これで三日分です。部屋まで持って行きますよ。一緒に行きましょう」
「うむ!」
松葉杖でよく此処まで来れたな。病室のすぐ近くと言うわけでもないのに。流石柱というかなんというか…。
本当に貴方は強い人
数年前と何も変わらない、強くて誇り高い人
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橘欅(プロフ) - ネコ2世さん» コメントありがとうございます!幸せな気持ちになっていただけるなんて…光栄です!どうかこの作品をご贔屓に! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 4f6b87549d (このIDを非表示/違反報告)
ネコ2世 - 主人公が可愛らしくて好きです!煉獄さんとのやり取りが微笑ましくて読んでる側もすごく幸せな気持ちになります! (2019年11月12日 16時) (レス) id: 6d89e33ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘欅 | 作成日時:2019年11月10日 22時