燃えるような心 ページ16
愛おしかった。
白銀色の髪。薄氷のような目。困ったように笑う顔。
片腕を伸ばせば、蝶が羽を広げたように美しく、声を出せば鈴のように清らかな音になる。
“A”
君は良い女だ。
誰に対しても優しく、分け隔てない心を持っている。眠そうな目を擦りながら、皆が寝静まる夜や、鳥もまだ目を覚まさない早朝でも怪我人を治療し、完治へと導いてくれる。
きっと君は、鬼殺隊が欠いてはならない、そんな存在になっているだろう。
思えば、君が他の隊士を治療している姿を見るのが好きではなかった。無意識のうちに心に不穏な炎が渦巻いて、気が気では無かった。嫉妬という奴かもしれない。
初めて生まれたこの感情。俺の視野がぐっと広がった。鬼を殺す事一色で塗りつぶされていた世界が、一気に鮮やかな色で彩られたんだ。
“煉獄さん、お慕い申しております”
この一言でどんなに心が揺れたか。赤らめた顔で、泣きそうなくらいに瞳を潤ませ、震えた声で紡がれたこの言葉。君が俺に恋しているのだとすれば、俺は君を愛している。
視界いっぱいに君を捉え、その小さい身体いっぱいに愛を伝えたい。
結婚して、子供を産んで貰い、腰が曲がるまで生きて、最期は二人で共に逝く…そんな、未来を生きたい。そう願う事は傲慢だろうか。
この煉獄の名に恥じぬよう、父上から受け継いだ炎柱。この炎を、一人の娘に託そう。
「A‼」
「どうしました?煉獄さん」
叫び出したいほどに熱いこの想い。
心を燃やせ
煉獄杏寿郎
「俺と添い遂げてくれ‼」
誰よりも、君を愛す
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橘欅(プロフ) - ネコ2世さん» コメントありがとうございます!幸せな気持ちになっていただけるなんて…光栄です!どうかこの作品をご贔屓に! (2019年11月13日 16時) (レス) id: 4f6b87549d (このIDを非表示/違反報告)
ネコ2世 - 主人公が可愛らしくて好きです!煉獄さんとのやり取りが微笑ましくて読んでる側もすごく幸せな気持ちになります! (2019年11月12日 16時) (レス) id: 6d89e33ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘欅 | 作成日時:2019年11月10日 22時