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「今日は3人で登校したの?」
廉「おん。
海人と一緒に
紫耀を迎えに行ったらな、
あいつまだ寝ててん。
起こしに行ったら、
' え!今日土曜日じゃないの?' だって。」
あほやろ?、と楽しそうに話すから、
わたしも自然と笑顔になる。
海人くんが言ってた通り
彼らの仲はすぐに修復されて、
今でもよく三人でいる所を見かける。
廉「今日、一緒に帰ろな。」
私の頭をポンポンとして、
自分の席に戻って行く彼。
私の彼氏になった廉くんは
それまで以上に優しくなって
精一杯の愛情を私に注いでくれる。
彼と一緒にいると心がぽかっと温まる。
同じ時を過ごすうちに、
' 廉くんを好きになれたら幸せだろうな '
そう思うようになった。
これは、' 恋 ' なのかな?
その正体を知らない私は
いくら考えたって答えはでてこない。
未「朝からお熱いですな。」
廉くんと入れ替わりで
ニヤニヤした未央が私の席にくる。
窓から吹き込む風が
私達の髪を揺らす。
風はいつも一方通行で
青春の中で複雑に絡み合う私達とは
正反対だなと思った。
「ねえ、未央、
好きってなんだろう。」
最近、
その答えばかり探してる。
あの胸の高鳴りは
どういうものだったっけ。
ふと、
私の視界の端っこに映った紫耀が
こっちを見て
少し悲しげな顔をした気がした。
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作者名:Kipi | 作成日時:2019年1月7日 9時