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「あ、紫耀くんだよ!」



隣にいる未央(みお)が廊下の先を指差す。


私が紫耀を発見した2秒後に
紫耀も私を見つける。


目が合うと
ふわっと笑った彼は
本物の王子様みたいだ。


未「いいな、あんなかっこいい彼氏。」


隣で未央がボソッと呟く。



「ほんと、私にはもったいないよ。」

未「うわ、そんな惚気ちゃって。」



口を尖らせて言う未央にも
少し前から付き合ってるカッコいい彼氏がいる。

いまは喧嘩中らしいけど。



未「紫耀くんとはアレでしょ。

幼馴染で、小中高同じ学校で
お互い初恋で、

何なの?少女漫画?」



「そんな恋愛は憧れるよね。」



未「うわー、自慢だー」



ううん、自慢じゃないよ。


私もそんな恋愛憧れる。



だって紫耀とわたしは好き同士じゃないもの。
付き合っていたって幸せなのは私だけ。




ほら、廊下の向こう側で
またあの子に優しい笑顔を向けてる。

あの子、何ていう名前かな。
すごく可愛いから、きっと名前も可愛いんだろうな。

可愛くない、素直じゃない私とは正反対だ。



彼が私といる理由は
ただ小さい頃の約束を守っているだけ。


紫耀が彼氏でいてくれるのは
彼の中では義務みたいなもので

そこに恋心はない。



だから早く私が

「もう約束守らなくていいよ」

そう言ってあげなければいけないの。




ふと、紫耀の隣にいる可愛い彼女が
彼の頬に触れる。

ああ、紫耀が嬉しそうだ。



未「ねえ、ああいうの嫌じゃないの?」


その女の子の行動を見て、
未央が私に尋ねる。


「ううん。」


未「うわー、これだからバカップルは。

そんな余裕こいてると他に盗られちゃうよ?」





そういうことじゃないんだけどなあ。

だってほら、紫耀が笑ってる。




彼が幸せになる機会を
長い間奪ってきた私にとって、
紫耀が好きな子と笑顔でいれるのは嬉しい。



矛盾してる?

そうかもしれない。


でももう少しだけ待ってね。
あと少しで決心がつきそうなんだ。



もうすぐ紫耀の恋路を邪魔する女は消えるから

だからあとちょっとだけ

わたしの彼氏でいてね。

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作者名:Kipi | 作成日時:2019年1月7日 9時

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