きみ中毒。 (ページ2)

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「ん、…え、ここどこ、？」

いつの間にか寝ていたらしく、目を覚ましたらベッドの上だった。

でも、私の家じゃない。

「あ、起きた？」

「、みやちか」

「さすがに飲み過ぎ。家わかんないから連れて来ちゃった」

シャワーを浴びたのか髪の毛が濡れてる宮近は、
いつもの宮近と違ってオフモードで。

なんかわからないけど、急に鼓動が速くなる。

「ごめん、迷惑かけたよね。帰る」

「ばーか、もう電車ないよ」

「え、今何時？」

「1時」

「1時？！え、嘘、ごめん」

「いいって。Aもシャワー浴びて来たら？」

「え、いや、」

「はい、これ」

そう言って渡されたビニール袋の中には化粧落としが入っていて。

なに、この人。出来る男すぎない？感心しながらも有り難くシャワーを借りた。

酔いが少しずつ冷めて、冷静に考えると本当に迷惑かけたなって反省する。

しかも同期ではあるけど、男の人の部屋で2人きり。
何かあると思ってるわけではないけど、ドキドキするに決まってる。

「お、上がった？」

「うん、ありがと」

「せっかくだしもう一杯やらない？明日休みだし」

「うん」

じゃあ、はい。なんて手渡されたビール。

適当に座っててって言われたから、とりあえず腰を下ろすとこんなのしかなかったわって
おつまみをテーブルに置いて隣に座った宮近。

…なんか、いつもより距離が近い。

でもそんなことを考えてる自分が恥ずかしくて、気にしてないフリをしてビールの缶を開けた。

「はい、乾杯」

「乾杯。…てかうみは？」

「明日予定あるからAのことよろしくーって言って帰った」

「もぉ、うみ…」

「海人の方が良かった？」

「そういうわけじゃないけど、」

「…けど？」

「、！」

隣に座ってる宮近の手が私の髪の毛をさっと耳にかけた。

顔見えないじゃん。なんて、なにその顔。なんでそんな甘い顔するの？
勘違いするじゃん、ばか。

「…なんか、宮近いつもと違う」

「まぁ、家だし」

「そうじゃなくて、」

「ん？」

「もぉ、いい」

絶対言いたいことわかってるくせに。

私ばっかりドキドキしてるみたいで、恥ずかしくて目を逸らす。

そしたら、今度は手なんて握ってくるから。
もう、なんなの？

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