†第十四話† 傷 ページ16
イトナ･･･堀部イトナ、ね。
あぁ、分かった。ずっと覚えててやるよ。
イトナ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
もう一言残し、耳元から口を離したイトナは俺の体を押して強く後ろに叩きつける。木に背中を強打して、うまく呼吸が出来ず、そのまま土に座り込んでしまう。
「ゲホッ･････、･････。」
イトナ「･･･行こう、もう追ってこない」
白「いいんですか？貴方の友達なんでしょう」
イトナ「オレに友達はいらない」
白「そうですか、では行きましょうか」
さくさくと草の踏みしめる音が次第に遠ざかっていく。薄目でイトナを見ると白に気づかれないようにこちらを一瞬振り向き、そのまま森の向こうへ飛んでいってしまった。
「･･･っはぁ"ー、マジで気絶するかと思った」
あの時イトナから気絶した演技をするよう頼まれていた。いくら事前に伝えたとはいえ手加減無しに木に叩きつけられると息の仕方だって忘れちまうぞ。
いきなり大きく深呼吸すると肺に負担が掛かるため、浅く呼吸を繰り返して最後に大きく息を吸って吐く。
排気ガスや環境汚染により淀んだ空気とは違い、周りには木々しかないこの校舎ではけた違いに空気の鮮度が違っていた。
深呼吸するだけでも多少は違うな。
ある程度落ち着いた頃、脇腹辺りがずくりと熱く疼く。次第にズキズキと酷く痛くなってくる。服をめくって確認すると脇腹に大きく切り傷がついていた。傷つけられた脇腹からどんどんと血液が抜け出ている。
後ろを振り向くと一本の尖った枝の中間から先端まで赤い液体が滴り落ちていた。枝は刃物のように鋭利に尖っていたが、致命傷になるぐらいに大きくなかったのが不幸中の幸いだった。
「ちっ、木に当たったときか･･･」
殺せんせー「おや？河崎君じゃないですか、夜遊びは禁止ですよ」
「あー、すみません。すぐ帰ります」
この状態で傷を見られたら面倒な事になりそうだな･･･。
面倒事に巻き込まれたくない俺は痛む脇腹を庇いながら立ち上がり、そろそろと退散する。
殺せんせー「･･･河崎くんちょっと聞いていいですか？」
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一颯(プロフ) - 同性愛ものには専用のフラグを立ててください。 (2016年4月18日 3時) (
レス) id: 050c8f6d1c (このIDを非表示/違反報告)
クロウサギ(プロフ) - この作品の続編見たいです!! (2015年5月18日 4時) (レス) id: 29761c99ab (このIDを非表示/違反報告)
緋腹 - この話をみてイトナ君が好きになりました！アザス！！(´∀`*) (2015年5月9日 0時) (レス) id: 5e74d9c177 (このIDを非表示/違反報告)
聖王ダークリンク - 今は………それが、お互いの為だろうからな。 (2015年4月22日 21時) (レス) id: 964e6546a5 (このIDを非表示/違反報告)
聖王ダークリンク - やはり無理か……………。いや、いいんだ。多分、最初から分かってた事だと思う……………今はまだその時じゃないってことは。あいつ自身が心を開くまでには、時間がかかると思う……………だからゆっくり待とう。 (2015年4月22日 21時) (レス) id: 964e6546a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみしお | 作成日時：2015年4月19日 21時
