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ページ18

「おい、ちょっとツラ貸せよ、基山クン。」

夕食後、緑川と雑談をしつつそろそろ自室に戻ろうと席を立った基山の肩を不動が掴んだ。

「何なんだ、急に。」

本人よりも先に隣にいた緑川が問いかけると、不動はそちらに目もくれず

「俺は基山に話しかけてんだ。セカンドランクのテメーに用はねえ。」

とわざとケンカを売るように緑川を煽る。

「何だと!」

「よせ、緑川。不動くん、今のは緑川に失礼なんじゃないかな。」

「うるせえな、俺は吉良星二郎の息子のお前に聞きたいことがあるんだ。来んのかよ、来ないのかよ。」

吉良星二郎という名前に基山はピクリと眉に反応を見せ、
静かに頷くと不動の後についた。





暗がりにさす蛍光灯の光には、無数のハエが群がってぐるぐる飛び回る。

「それで、こんなところに連れてきて、聞きたいことって一体なんだい。」

不動は念入りに、誰も後をつけていないことを再度確認してから口を開く。

「お前、兎とはここでが初対面か。」

「兎くん?」

お日さま園や父親のことについて何か聞かれるのかと身構えていた基山は、全く予想外だった質問に少し拍子抜けた。
そして少し、考えるそぶりを見せる。数秒の間が空いてようやく基山は不動の質問に答えた。

「多分…ただ、どこかで見たことがあるような気はしていたけど。どうしてそんなことを聞くんだい。」

"どこかで見たことがある"という言葉に不動の身は一瞬ひやりと凍る。直接会ったことはないが、偶然どこかで目にしていたのだ。だが関わりがないと分かれば、基山が嘘をついていない限りそれ以上得られる情報は何もない。

(嘘をつくなら見たことがあるなんて引っかかるようなことをわざわざ言うはずがない…か。)

基山の質問に一向に答える気配のない不動に、基山は再度「不動くん?」と声をかけた。すると不動は「別に。聞きたいことはそれだけだ。」と自分はろくに答えもせずその場をあっさり立ち去ってしまった。

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19 - 星猫さん» 優しい…ありがとうございます。イナズマイレブンシリーズはアレスとオリオンも含めて全部みました!同じlevel5作品だと妖怪ウォッチも好きです(^_^) (2021年9月8日 12時) (レス) id: 4071e07d98 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのpcがしました。また高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年9月8日 11時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
19 - 星猫さん» ありがとうございます!!嬉しい、、自給自足ですが励みになりました。今後も1日1更新、書き殴り続けますので暇つぶしにでも見ていただければ^^ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 39de8a0c35 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月7日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:19 | 作成日時:2021年8月30日 21時

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