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廊下の真ん中、スエの背中が見えなくなるまで見つめていた。
スエとは違う自分のクラスの教室へ戻ると、まだ賑やかな空気を残したまま生徒はそれぞれの席に座っていた。さっき買ったばかりのサイダーはいつのまにか手の熱が伝わり緩くなっているように感じた。ゆっくり自分の席へ足を進めると、それに気付いた彼がちらりと私を見やった。
『 …自販機のわりには遅かったやん、戻ってくるん 』
「 そうでもないよ 」
『 サイダー？この時期に？ 』
「 好きだからええの 」
なんやそれ、と柔らかく隣の席の丈くんは笑った。笑うと目が細くなって、口からは白い歯が覗く。
彼の、その笑顔が好きだった。
その笑顔に、横顔に、ひとつひとつの表情に、恋に落ちたのは私だった。なのに、いつからだろう。全然違う丈くんに、彼の姿を重ねてしまうのは。
少し経って予鈴の音が教室に響き渡る。ガヤガヤとうるさかった教室は先生の登場と共に、少しずつ静まっていった。
『 うわ、次英語か 』
「 え、また課題やってない？とか？ 」
『 うるさ、さすがにやったわ 』
バカにすんなよ、とほんの少しだけ丈くんの指が私の頬を摘んだ。やめてよ、なんて笑いながら丈くんの手を払いのける。
でも、やっぱり。このドキドキは変わらないんだ。丈くんが触れるだけで、私の胸が高鳴るならそれは間違いないって。
そう感じていた、いや、そう言い聞かせているのかもしれない。本当は気づき始めていた。彼の姿を重ねているのは、彼への当て付けかもしれない、ということも。
ネイティヴな先生の挨拶が耳に届き、教室の雰囲気が少しずつ怠くなるのを感じた。
数分前に開けたサイダーの缶を机の端っこに置いて、英語の教科書とノートを机に広げる。
そして、冷たそうな無機質のアルミ缶を眺めながら少し昔のことを思い出していた。
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山田さんちのきりたんぽ(プロフ) - めっちゃキュンキュンします！丈くんも、スエ様も、どっちもカッコイイですm9(+ゝω･´+)ｶｯｺｲｨ───ｯ☆これからも更新頑張ってください(*｀･ω･)ゞ応援しています！ (2018年8月31日 10時) (
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作者名：ナナセ。
| 作成日時：2018年8月30日 20時
