Picture -tkin短編集- (ページ4)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:8,891 hit

4 ページ4

そんな感じでお互い食べさせ合いながら少しずつ試食会は進んで行った。食べ終わった時にはもうお腹はパンパンになっていた。

「あー、もう今日俺何にも食べられないわ。」

そう言って座り込む。

「ふは。俺も今までのバレンタインの中で1番お菓子食べたかも。」

と言って髙木が笑った。

「マジバレンタインチョコ貰わなくてよかった。今日バレンタインチョコ貰っても笑顔で受け取れねぇ。」

と俺が言ったら、

「まぁ、義理はいらないよねぇ。」

と髙木が呟いた。

「え、何？髙木はチョコ欲しい本命がいるんですかぁ？」

と聞くと、

「まぁね。」

と寂しそうに言ってきた。

え？

誰？

俺は少し動揺する。

髙木に好きな人がいても決して不思議ではないのに。

やっぱり心の奥底で嫉妬してる自分がいる。

まぁ当たり前に女の子が好きであろう髙木に、この想いをどんなに積もらせても叶うことはないなんて分かりきったことだったんだけど。

「へえ。いるんだ。。。どんなやつ？」

知りたい。けど、知りたくない。けど知りたい。俺はそんなモヤモヤを抱えながら髙木に聞いた。

「そうだねぇ、、、。口は悪いけど、仕事に真摯に取り組んでいて、優しくて、頭が良くて、可愛い人かな。」

「そ、なんだ。」

「そう。すっごい近くにいるのに中々気がついてくれなくてもどかしい人。」

「へぇ。会社の人？」

と聞いて顔を上げる。気がついたら俺の近くに髙木が立っていた。