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(youーside)
あれから、特にメンバーと話したり、ご飯に行く様な事もなく。
病人の私は莉子さんと約束した通り、大人しく数日間実家へと帰る事になった。
かつて陽斗とおば様と暮らしていた高倉家に、お母さんと2人というのは、今でも少し不思議な気分で。
特に。
千「詩ちゃん、お粥食べられそう？」
「うん」
千「じゃあ起き上がって。冷ますから少し待ってね」
「1人で食べられるから大丈夫だよ」
とても熱心に看病してくれようとするのが、くすぐったくて仕方がない。
一応年齢的には、もう良い大人だからというのもあるけれど。
ーー誰かに看病されるなんて、変な感じ…
幼い頃は体調を崩しても、家に誰もいなかった。
だから、食べるものも着替えも、しんどくても自分で何とかするしかなかった。
高倉家に引き取られてからは、おば様も忙しいし、出来るだけ心配をかけたくはなかったから、極力隠すようにしていた。
勿論、気付いた時は凄く心配してくれるんだけど、それが居た堪れなくて、余計に見せないようにしていたと思う。
千「そう…他に何か欲しいものはある？」
「大丈夫、ありがとう」
私の答えに、お母さんは少し切なそうに微笑む。
その理由に気付けないほど、私は鈍感ではないけれど。
ーー…甘え方が、分からない
親子として、新たな道を歩き出したのは事実。
だけど、決して戻らないもの、手に入らないものがあるのも事実。
「ご馳走様でした」
千「お粗末様でした」
片付けてもらって、薬を飲んで、また横になって目を閉じる。
千「うさぎ追いし かの山」
夢と現実の間。
微睡みながら、お母さんの優しい歌声が聴こえた。
多分、私の人生で1番初めに覚えた歌。
初めて歌った時、お母さんと兄さんはとても褒めてくれて。
コンクールで歌った時、私は全てを壊してしまった。
もう戻れない過去があることは分かってるけれど。
埋められない溝があるのも事実だけれど。
ーーまだまだ、始まったばかりだね
それでも良いと、家族2人で歩き出したんだ。
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海(プロフ) - 海音さん» ありがとうございます！次章もマイペースに更新していきたいと思っておりますので、またよろしくお願い致します！ (2020年2月20日 20時) (
レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます！すごく面白いです!!次の章も楽しみです！これからも頑張ってください!! (2020年2月19日 23時) (レス) id: 8f38073b2c (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ゆうさん» かなり長かったと思うのですが、ありがとうございます！マイペースな展開と更新になりますが、これからも頑張って参りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年12月14日 18時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 最初から一気に読んじゃいました！笑 とっても面白かったです！ これからも頑張ってください！ (2019年12月14日 16時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ＥＹさん» ありがとうございます！ゆっくりで良いとお気遣いまでして頂き、本当に嬉しいです。マイペースに頑張って参りますので、これからもよろしくお願い致します！ (2019年11月18日 20時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 | 作成日時：2019年11月9日 18時
