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(you-side)
裕「やっと会えた。本当に嬉しいよ、綾瀬ちゃん」
笑顔の真鍋さんに、私は無表情のまま告げる。
「今日は真鍋さんにお願いがあって来ました」
裕「一応聞くよ」
「もう、私に関わらないでください」
頭を下げて言った私に、真鍋さんはクスリと笑う。
裕「それは出来ない相談だよ。自分でも分かってるだろう？」
「……私にとって今、仕事以上に大切なものはありません。AAAは私の生き甲斐で、私の人生全てです」
裕「うん、見てたら分かるよ」
私には、差し出せるものなんて殆んどない。
そして、事を大きくしたくもない。
例えこちらが被害者なのだとしても、結局AAAに皺寄せがいってしまうくらいなら、何としても秘密裏に済ませたい。
「私は、誰かと恋愛をする気はありません。それはAAAに加入してから、ずっと誓っている事です」
だから、私に出来ることは１つしかなくて。
「……だから、真鍋さんとお付き合いはできません。今までの事を公にするつもりもありません。なので、このまま手を引いては頂けませんか？」
素直に、まっすぐに。
情に訴えかけるなんて、本当は好きじゃないやり方だ。
でも、私にはこうする事しかできない。
「お願いします」
もう一度頭を下げると、長い沈黙が続く。
裕「俺はね、一生懸命で輝いてる子が好きなんだ」
真鍋さんの言葉を、顔を伏せたままに聞く。
裕「初めて君を見たとき、一目で分かったよ。女優が本業じゃないのにあんなにも強い信念を持って演技に向き合っていて、」
どんな表情をしているのか、見ていないから分からないけれど。
裕「君の今までの活動を追いかけてみて、その信念が全てAAAからきているものであることがよく分かった」
その声音は穏やかで優しい。
裕「知れば知るほど、君が欲しくなった。そう思ったらなりふり構ってられなくて、散々傷付けるような事をしてしまったのに……今だって、こんなにもまっすぐに…俺の理不尽な要求に、努めて誠実に対応してくれている」
「……」
裕「…本当に綾瀬ちゃんは俺と違って良い子だね。やっぱり俺の目に狂いはなかった」
顔を上げて、と優しい口調で言われて。
そっと伏せていた顔を上げると、笑顔の真鍋さんがいて。
裕「本当、良い子過ぎて…………壊しがいがあるよ」
彼が何を言っているのか理解できなかった。
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海(プロフ) - くみさん» ありがとうございます！楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…！本当にありがとうございます！マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (
レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです！！昨日から一気に読んでしまいました！これからも楽しみにしてますね！ (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 | 作成日時：2019年3月24日 19時
