小児科病棟の王子様

ママ ページ47

ここ最近、ずっと元気で

院内学級で、絵を描くことになった

好きなとこを書いて良いから

元気だし、亜嵐先生に許可もらって

庭に出て、絵を描くことにした




日陰にあるベンチに座って

絵を描いていた





？「涼太…？」




「…誰？」





？「涼太、なの？」





「おばさん…だれですか？」





？「ｯ…(泣」





「あの…」






？「急にごめんね？

何してたの？」






「あ、うん…

絵、描いてたの」






？「絵描くの好きなの？」





「うーん、学校でやれって」





？「そう。隣、座っても良い？」






「うん！」






？「まぁ、上手ね！」





「ホント？」




？「うん！」





「ありがとう！おばっ…あ、、」




？「おばちゃんって呼んで良いわよ」





「おばちゃんは、病気なの？」





？「…うん、少しね」





「そっか…早く、治ると良いね」






？「もう治らないの…」






「え？」





？「涼太君は？」





「僕は、わからない…

でも、先生達が治してくれると思う」






？「そう…

涼太君には家族はいる？」






「パパがいる

3歳の時に家族にしてくれた」





？「ママは？」





「いないよ。赤ちゃんの時に

病院の前に僕をおいて

どっか行った」






？「ｯ…そう、ごめんね？」





「え？」






？「おばちゃんはね

昔、赤ちゃんと離れちゃったの

赤ちゃんのお父さんは

お酒が大好きで、酔っ払って

私を殴ってきて、お金も無くて

赤ちゃんを育てられなかった

私は赤ちゃんを幸せにしてあげる事

できなかったから」






「そうなんだ…さみしくない？」






？「寂しいよ、寂しかった

子供を見る度に

あぁ、私の子供何してるかなって

何が好きで、頑張ってるのかなって

いつも、そんな事ばかり考えてる

1人って寂しい。

あの子に会いたいって」






「英語が好き

いつもめんどう見てくれる

あらん先生と、おみ先生と

れお君が好き

病気が治るように、治療を頑張ってる」






？「えっ？」






「僕が、おばちゃんの

こどもになってあげる！

おばちゃんがさみしいとき

いっしょに、いてあげる！」





？「涼太君…(泣」





「おばちゃん、泣かないで？」





？「うんっ、ありがとう」





「これ、おばちゃんにあげる！」





？「良いの？学校のやつじゃ…」





「また描くから！どうぞ！」





？「ありがとう！大事にするね？」





「うん！」

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