小児科病棟の王子様

▼ ページ21

目を覚ますと、病室にいた

良かった、出れたんだ…


でも、ここも少し暗い…





亜「起きたか。涼太、大丈夫？」





「ｺｸ」






亜「何であんなとこにいたの？」






どうせ、また無視するくせに…




「…」





亜「涼太？もう怖くないよ

大丈夫」




それでも、僕が何も喋らないから




あらん先生が心配して

頭を撫でてくれようとした





ﾊﾟｯ





亜「!?…涼太？」





「…」





なんか、今叩かれるって思った


また、手を伸ばしたら

振り払われちゃう気がした






あらん先生に背中を向けて

寝転がった


でも、暗いのが怖くて

毛布に隠れる事ができない







亜「…涼太また来るね。ゆっくり休んで」




あらん先生、怒ったかな…




でも、僕だって怒ってるもん


僕のこと、無視したのはみんなだもん…









亜嵐side




涼太が目を覚まして

話を聞こうとしたけど

何も答えてくれなくて

いつもみたいに

頭を撫でようとした


そしたら、振り払われちゃった…


涼太の目は色がなく

どこを見てるのかわからない


背を向けて、寝ちゃったから


また来るとだけ言って、部屋を出てきた




きっと、涼太怒ってるよな…



涼太からは聞き出せそうにないから

俺達はできるだけ証拠を集めた



次の日の朝

普通の顔して出勤してきた

結城先生を呼び出した




「これ、どういう事ですか？

昨日の防犯カメラの映像です

嫌がる涼太を無理矢理

部屋に閉じ込めた

それに加えて解放せずに帰宅した」






臣「既に、医院長先生にも

報告済みです

二度とこの病院に

顔を出さないでください」






結「ﾁｯ…そいつが悪いんだよ！

いつまでも、言うこと聞かないから！

口を開けば、あらん先生…

うざかったんだよ

躾が出来てない奴を躾しただけだ」






「ふざけんな!!

涼太は、すげぇ良い子だよ！

あんたの暴力にも黙って耐えて

俺達には言わなかった」






臣「亜嵐もう良いよ。お前は医者失格だ」






結城は、お偉いさん達に

連れていかれた






ｶﾞｯｼｬﾝ




臣「なんだ!?」





走ってきたナースに聞くと




ナ「涼太君が、ご飯を

ひっくり返しちゃって…

検温もしてくれないし

何も出来なくて…」






「すぐ行く！」








ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ






「涼太、どうした？」





涼「…」




俺じゃ話すらさせてくれなくて

色んな先生が涼太に話しかけるけど

全然だめ

▼→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す