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(uno-side)
詩が希望した通り、アンコールの最後にミカンセイをもってきたのは、大正解だった。
ファンの皆と、そしてメンバー同士が一体になれた心地がして。
今はすれ違ってる詩とも、まだ何も知らなかったあの頃の関係に戻れたような気さえした。
MCで初めて聞いた詩の想い。
その直前のGet チュー!であれだけ傷つけられたから、ひょっとするともう何も言えないかもしれないと予感した。
だけどそんな心配が一瞬で吹き飛ぶほど、晴れやかな表情で現れた詩は、まっすぐに客席を見つめていて。
格好いい、と思わず呟いた声がマイクに拾われる事はなかったけど。
話している詩を見守りながら、私はふと高校の時を思い出した。
クラスから冷遇されていた私は援交の噂を立てられて、男子から言い寄られたことがある。
それに傷付いて、詩の前で泣いた次の日。
私は見てしまったんだ。
「は?今なんて?」
「実彩子に関する変な噂をもう2度とたてないでって言ったの」
「変な噂……って大して変わんないでしょ?誰にでも色目使って、自業自得じゃん」
「ふざけないで!」
背中を向けられていたから、詩の顔は見えなかったけど。
「実彩子の事、何も知らないくせに……あの子ほど誠実で、ひたむきな子はいないんだから!!」
あんなにも怒鳴る詩を見たのは、後にも先にもあれっきり。
詩はいつだってそうだった。
自分の事は後回しで、人の事ばかり。
私への苛めがなくなった後、詩に対して女子の風当たりが厳しくなった事を、詩は1度も私には言わなかった。
私はいつもそうやって助けてもらってばかりで。
AAAに関しても、何も相談してくれなかったのが、ただ寂しかった。
ただ、頼ってほしかった。
友香里に相談したとか、そんな事実はどうだっていい。
助けてって。悩んでるって。どうしようって。
たった一言でも言ってくれたら、全力で助けになれるのに。
それが出来ないことがもどかしかったんだ。
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海(プロフ) - あいさん» こちらこそ再びコメントを頂けて嬉しいです♪ありがとうございます!少し書き溜めてからの公開を考えていますので、もう少しお待ちください。楽しみにして下さってる方がいる事が何よりの励みです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - まどれーぬさん» こんばんは!大変な時だというのに、わざわざありがとうございます(>_<)明日、普段通りの実力が出せますように…受験頑張ってください!!激励のコメントも、ありがとうございました! (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ(プロフ) - こんばんは〜!明日受験があるのに気になって読ませていただきました〜!これからも頑張って!! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 6ca81d105b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 返信ありがとうございます(*´∇`*)2章楽しく読ませてもらいました(^o^)3章も楽しみにしてます(o≧▽゜)o頑張って下さい☆ (2018年3月19日 18時) (レス) id: 79d2b3f374 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - あいさん» こんにちは、ありがとうございます!次回更新で2章完結予定ですので、暫くお待ちくださいませm(__)mこれからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月18日 14時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年2月18日 22時