〜HORIZON〜

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(you-side)


陽斗がいなくなってから１ヶ月。



アコギを軽く引いて、ハミングを奏でる。



軽く発声練習をすれば、思いの外喉の調子は以前と変わりなくて。





「おば様！」



リビングにいたおば様は私の姿を見ると、目を見開かせた。



「詩ちゃん、ギター…またやるの？」


「うん。一番最初におば様に聴いてほしくて」



防音がなされている私の部屋に来てもらって、おば様はベッドに腰かけてもらい、その正面に私は足を組んで座る。



「‘青空’、聴いてください」


「ええ」



本当は新曲を作ろうかと思ったけど。



ストリートの時も必ず歌っていた、正真正銘の私が初めて作った曲。



やっぱり私のスタートはこの曲だと思った。









‘’いつも側にいた キミは

もうずっと 遠くにいるけど

聴こえているよ キミの声

ココロにずっと 響いている


差し出してくれた 暖かい手

私を変える その笑顔

手に入れたもの 眩しくて

失いたく、ないんだよ


ねえ キミに会いたいよ

今すぐ駆け出して良いかな？

キミへの想い 止まらないよ

青い空 キミに繋がれ


目の前真っ暗な ときは

いつだって キミがいたんだ

覚えてるかな 二人で

見上げた綺麗な 夕焼け


いつも前にいた 大きな背

照らしてくれた 進む道

一度手放せば その光

もう二度と、戻らないんだ


ねえ キミに会いたいよ

今すぐ 駆け出したいのに

キミへの想い 届かなくて

青い空へ 手を伸ばすよ


ねえ キミに会いたいよ

待たずに 駆け出してみせる

キミへの想い どこまでも

青い空が 繋いでいく


青い空 君に届け‘’









「…今日、歌ってくるの？」


「うん、そのつもり」


「ココア、用意してるわ。頑張ってきてね」



微笑むおば様はとても綺麗で。





「……行ってきます！」



私は笑顔で家を出た。

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