ずっと、もっと。【2】 (ページ17)

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そっとうみの背中に手を回し、
負けないくらい想いを腕にこめてみる

「ふは(笑)自分で苦しくしてどーすんの」

そっと身体が離れると、火照った頬に夜風が触れる

「だいぶ遠回りしちゃったけどさ、」

＂俺と付き合ってください＂

耳元で響く、ずっと聞きたかったその言葉に

止まったはずの涙がまた溢れる

「泣きすぎ～せっかく可愛くしてるんだから！」

そう言って自分の袖を伸ばしちょんちょんと拭われる

「てか時間やば！行こ！！」

自然と繋がれた手に思わず頬が緩む

「…何にやけてんだよ」

「うみだってにやけてんじゃん」

少し背伸びをして顔を覗き込むと、
こっち見んなとあしらわれる

「…てか、ピアスつけろよな。月のやつ」

「…ついでに選ばれたから、
次は私のために選んで欲しい」

そっと寄り添い、私なりに気持ちを伝えてみる

「…何それ、可愛い？やっぱ家戻る？」

「馬鹿じゃないの！早く行くよ！」

繋いだ手をぐいぐいと引っ張りお店へと急いだ