カクテル 27 ページ27
.
薄暗い街頭を頼りに細い路地を駆け抜ける。
飲み会に顔を出すと何故か那須くんがいて、ミサが胸ぐらを掴んでいて。
回らない頭で考え出した答えは逃げる、だった。
どんどん那須くんとの距離が近付いていく。
そりゃそうだ、運動音痴の私が男の人を振り払えるはずがないもん。
「、待って!」
「っ、」
ついに捕まった手、
抵抗すればビルの壁に手と背中を押し付けられる。痛い、と声をあげればその力が少しだけ緩むのを感じた。
肩で息をする那須くんは、乱れた髪を気にしようともせず私の目だけを見つめる。
…なんでだろう、目が合うだけで泣きそうになるの。
「…許してとは言わないから、謝らせて、」
「心にも無い事言ってごめん。気持ち悪いなんて思った事ないし、浮所に嫉妬しただけなんだ」
「嫉妬なんて初めてだから、どう処理していいか分からなかった」
何故か那須くんまで目じりに涙を浮かべて ごめん、と頭を下げた。
「…私のこと、嫌いじゃないの?」
「嫌いになんてなるわけない」
「私、飛貴とは本当にそういう事してなかった」
「…ごめん、勝手に勘違いして、酷いこと言った」
那須くんは全て謝ってくれた。
…だから、私も謝らなきゃ。
ビンタしたこと、連絡を全部無視したことも。
.
1964人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「美少年」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mappy(プロフ) - 最後の場面とっても素敵ですね! 思わず二度読んでしまいました (2020年3月21日 23時) (レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
pii27(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!飛貴くんとくっついて欲しいような気もしちゃいます笑! (2019年10月9日 13時) (レス) id: 55d6c8d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 続きが楽しみです! (2019年9月23日 9時) (レス) id: 4581f1bec1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年9月21日 20時