カクテル 12 ページ12
. 浮所視点
「あの子が浮所の気になってる子?」
「そ、そうだけど…絶対ちょっかい出さないでよ!」
大昇の視線の先には忙しなく店内を駆け回るA。
団体が来ているらしく、俺たちの方なんて見向きもしない。さっきから注文を運んでくるのは男の人ばかりだ。
既読さえつかないメッセージにこれは相当怒ってるとみて、直接バイト先まで謝りに来たというのに。
「モテ男の浮所クンが手こずるなんて相当だね〜?」
「手こずってないし、ちょっと鬱陶しがられてるだけだし…」
「もっとやばいじゃん、それ」
大昇は他人事だと思ってけらけら笑ってるけど、俺にとっては笑えないから!
那須もAに手出してこようとしてるんだよ!?
俺は、高校生のときから那須に勝てた試しがない。
テストの総合点だって、先生からの評価だって。いつだって俺は2番手だ。
…Aぐらい、譲ってくれてもいいじゃんか。俺の方が先にすきになったのに。
「…すみませーん!注文いいですか!」
「ちょ、大昇…!」
「はあい、…って飛貴?来てたの?」
今忙しいんだよねえ、と洩らしたAは、昨日の事なんてなかったかのように平然としている。
「、A…怒ってないの?」
「へ?…ああ。スタバ奢りで許す!」
「わかった、デートだね!」
「めげないなあ…」
大昇、そんな冷めた目でみないでよ!
.
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Mappy(プロフ) - 最後の場面とっても素敵ですね! 思わず二度読んでしまいました (2020年3月21日 23時) (レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
pii27(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!飛貴くんとくっついて欲しいような気もしちゃいます笑! (2019年10月9日 13時) (レス) id: 55d6c8d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 続きが楽しみです! (2019年9月23日 9時) (レス) id: 4581f1bec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年9月21日 20時