振り回され上等 ！【野郎組】

episode 19 ページ19

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｢一条くん？｣

｢、あ。え？何、松本さん｣

｢ううん。ぼうっとしてたから…気分悪いの？｣


｢っ｣








首が千切れそうになるくらい横に振って否定する。…ただ、さっきの五島の言葉が気になってるだけ。






｢…松本、サン｣

｢Aでいいよ、どうしたの？｣



｢……っA、…ちゃん。その兎、本当に嬉しい…？｣

｢どうしたの急に。嬉しいよ！
んんっ…'大地くん、ありがとうっ'｣






ばきゅん。
心臓に何かが突き刺さった。腐女子の言う尊いってこれのコト？



ううん…うさぎの手を声に合わせて振るAちゃんは本当に喜んでくれてるんだろうし、いい子だと思う。それだけ喜んで貰えたら俺も嬉しいし。





ひと通りアトラクションを制覇して、日も暮れてきた事だから近場に移ってご飯を食べようと もやっとする気持ちを抱えつつ、遊園地を出た。









｢一条くん、何から何までありがとね。最後に写真撮ろう？｣

｢い、いいの！？｣


｢当たり前！一条くんの方が手長いから撮ってもらってもいい？えっと…ここ押して｣

｢う、うん…落とさないように気を付けマス｣








ぷるぷる震える手でAちゃんのスマホを受け取る。

慣れないながらも精一杯撮った写真は、原アスカの時みたいな偽物なんかじゃなくて。







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