□ 拡声器で愛を叫ぶ【K.Y】

…（N視点） ページ39

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｢…紫耀、良かったん？｣






岸の手を引いて ファミレスを出て行ったA

岸は、戸惑うように こっちを見てた。





席を移動して 紫耀の前に座る。





｢ええの。だって俺、Aの事好きやもん。｣

｢Aはそれを分かってて ああ言ったんやで？｣

｢…嫌われたくない。｣





妙に弱々しく そう呟いた紫耀は、

あの日以来で。




続けて、｢ それに岸くん、良い人やもん ｣ と吐いた。

いつも強気な紫耀とは思えない位 弱々しくて、引き攣った笑顔


俺でも気付く位やから、Aが気付かへん筈がない。





｢今なら、間に合うけど｣

｢ん〜？何が？｣

｢追い掛けて来たら？｣

｢むーり！今追い掛けたらKYやん｣

｢…絶対 後悔すんで。｣


｢んー…それもいいかな。よし、カラオケ行こ！

…あ、でも夜Aん家行くからちょっとだけな！｣








…ほんまに、手のかかる幼馴染みやわ。


後で泣くのは自分の癖に 他人の幸せを優先して。
好きなら、遠慮はいらんやろ。何 岸如きに手ぇ引いとんねん。






紫耀が 結ばれないと、俺が手ぇ引いた意味がないやろ。


小６ん時の約束忘れたんか。









｢俺ら、似たもの同士かもね｣

｢…ちゃんと、ケリつけろよ。｣

｢うん。廉 ありがとうな｣






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