ビラヴド 【Mizuki.i】

最愛の 14 ページ15

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あぁ、イライラする

気安く腕に絡んでくるこの女も、前に座ってへらへらしてるAも。






涼の隣で笑ってんじゃねえよ。

近くにあった机を蹴ると、大きな音を立ててノートが散らばった。


それを見て Aは肩を揺らす。









｢瑞稀… 機嫌、悪いの？｣

｢机に当たったらダメだろー？人の机なんだから｣




｢…私片付けるからさ、Aは息抜きにジュース買ってきてくれない？｣


｢うん、わかった｣










気まずそうに俺を見たAは、
まるで逃げるように教室から出て行った。






Aがいなくなった教室はひんやりとした空気が流れていて、

追いかけようと席を立とうとしたその時、奥田が待って、と俺の腕をキツく掴んだ。









｢井上くんってさ｣

｢手、離せよ。気安く触んな｣









｢…ほんと好きだよね。Aの事｣









ぱっと離された腕



何故か ぞわぁ、と 背中に鳥肌が立つ。

意味深に微笑んだ奥田を睨むと、するりと交わされた。









｢そういえば、私の友達がね｣


｢…Aの事 気になってるんだって！｣










｢、は？｣
｢瑞稀、いいから追いかけな。俺 奥田さんと待ってるから｣









俺の前に すっと入った涼に促され、

スマホだけを持って教室を後にした。




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