星屑のスパンコール3（Ryuto.S）

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その日は寝坊して、今日一限なのに〜〜って急いで支度をしながら部屋のテレビをつけたんだ。



その瞬間、心臓が止まるかと思った。だってそこには、







“期待の新星！HiHi Jets待望のデビュー！”







の文字。思わず｢ええええ？！？｣って叫んでしまって口をおさえた。




そう、HiHi Jetsはデビューする。やっと。やっと、あの5人が。



龍斗と別れてから、ろくに活動も追えてなかった。というか、追わなかった。龍斗を見ると楽しかった事も悲しかった事も蘇ってくるのが辛くて見るのをやめて、ライブにも行けなくなって、そのまま遠ざけていったから。




私が見ない間に、彼等はどれだけ努力して、どれだけパワーアップしたんだろう。



デビューコンサートの日程が発表されて、募集が始まった。龍斗にバレたあのサマステ以来、1度も生の5人のパフォーマンスを見ていない。彼らの“今”を見たいという気持ちが強くなった。……でも、なんとなくまた足を踏み入れるのが怖くて、応募できなかった。




……いつまで引き摺ってるんだろう私！未練がましい！やっぱり応募すればよかったかなあ、とかウジウジ考えていた時だった。





｢ねぇ、友達が余ってるって言ってるんだけどいる？ハイハイのデビューコンサートのチケット。｣




…………は？？？？




｢な、菜花様？！？！？！？今なんて？！？！？｣


｢うるっさい！だからハイハイの……｣｢行く！！！｣




｢……あ、そう。｣


｢なんで菜花が嬉しそうなの？笑｣


｢いや別に。2連だから誰かと行ってきな｣


｢え、行く人いないし。｣


｢そんなの明日香と……は、行けないか。｣





あれ以来、明日香は私達と会ってくれない。正確に言うと成人式で少し話したくらいだ。一応元気そうでなによりだったけど、5分もしたら｢じゃ、ごめん｣ってそそくさと立ち去られた。



｢ま、そりゃアンタらは気まづいよね……｣

｢でも、また3人で会えたらいいな｣

｢A、嫌じゃないの？｣

｢うーん……でも3人の写真とか見たら、会いたくなる｣



そうだね、って菜花が隣で微笑む。







あの頃のこと、忘れられるわけじゃない。でも。


きっとまたいつか、3人で会える気がした。







｢てことで菜花！二人で行こ！！｣


｢いやあたし興味ないから。パス｣


｢いいから！！菜花も沼に引きずり込むぞ！！オー！！｣

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