・ ページ8
少しすると、忘れ物を取りにいったはずなのに
なぜか手には何も持っていない彼女が戻ってきた
A「美和ねぇ、忘れ物は？」
美和「あー…ふふ、私うっかりしてて
ここにもう持ってきていたのに、忘れたと勘違いしちゃって戻っちゃった」
えへっと舌を出して、自分の頭を軽く叩く彼女
…美和ねぇってこんな人だったっけ？
いや、もしかしたらシェアハウス時代には隠してて
今私の目の前にいるのが、本来の彼女なのかも
美和「あ、Aちゃん昔このアニメ好きだったでしょ？
よかったら、これ抱きしめながら一緒に話そうよ」
そう言い美和ねぇが私に渡してきたのは、
さっき私も見ていたハムスターのぬいぐるみだった
…覚えててくれたんだ
A「いいの？私付き添いできただけなのに…」
美和「いいのいいの！あ、よかったら、櫻井さんもぬいぐるみ選びませんか？
どの子もめちゃくちゃかわいいですよー」
翔「え？」
美和「もちろん、無理に選ばなくて大丈夫ですよ？
あくまで緊張を解すために置いてあるだけですから」
彼女がそう言うと、櫻井さんは少し迷った素振りをし、
一通り部屋にあるぬいぐるみを見渡してから
なぜか私のことを上目遣いで窺ってきた
A「私？」
翔「お、俺あのぬいぐるみが…い、いい」
そう言い指差したのは、
この部屋の中にいるぬいぐるみの中でも一際大きいくまのぬいぐるみだった
翔「あ、ごめんやっぱ忘れて…
俺、男だからぬいぐるみなんておかしいから」
私と彼女の反応を見て何かを感じたんだろう
彼はそのぬいぐるみに指していた指を下げてしまった
“おかしくない”
そう返す前に、美和ねぇはそのぬいぐるみと私が選んだぬいぐるみを取りにいって私達に渡した
翔「あの、俺」
美和「ぬいぐるみは誰にでも持つ権利はあるんですよ？」
翔「え？」
美和「女性はいいけど、男性はダメ
子どもはいいけど、大人はダメ
…そんなの誰が決めたんですか？
いいじゃないですか、何を持っても
それで自分が保てるなら、法に触れない限りいいと私は思っています」
翔「先生」
美和「私だって、女性なのに性格がちょっと男っぽいせいか、
ぬいぐるみなんて似合わないってたまにからかわれるんですよ？
いや、あんたに迷惑かけていないんだから別にいいだろ！ってちょっと言い合いになりましたけど」
美和ねぇが何でもないように言うと
彼は安心したような表情で私の服の裾を握りながら
自分より大きなぬいぐるみをギュっと抱きしめた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うめパンダ(プロフ) - ゆーかさん» ありがとうございます(*^ー^)ノ♪不定期更新になってしまいますが、応援よろしくお願いします！ (2021年8月5日 8時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか(プロフ) - 初見です！今日この小説を見つけて一気にここまで読んでしまいました笑この先が凄く気になります！これからも頑張って下さい！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 8f1f91b32d (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - 名無し56631号さん» ありがとうございます(*￣∇￣*)そう言っていただけると嬉しいです！ (2021年7月27日 18時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56631号(プロフ) - 最近読み始めました！！とても面白いです…更新楽しみにしています (2021年7月27日 9時) (レス) id: 2035d75108 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年7月12日 23時
