翔side ページ28
翔「あ、俺…」
ふと我に返った時
俺は会社の最寄り駅のホームの中にいた
翔「どうしよう…」
今から仕事へ戻っても、仕事中出ていってしまったのだから怒られることは避けられないし
何より、あの視線に俺は耐えられない
反対に家に帰ればまた罵倒される
今度は何て言われる？
もしかして、今度こそ家に入れてもらえなくなる？
翔「やだ…やだ…」
俺は思わず頭を抱えて、その場に座り込んだ
時間帯もあってか、ラッシュ時ほどではないとはいえ多くの人が電車を待つこのホーム
『何、あの人具合悪いのかしら』
『ねーママ見てよ！あの人の手首汚いよ！』
『し！見るもんじゃありません！』
『どうする？駅員さん呼んだ方がいいんじゃない？』
俯いていても聞こえる声
ちらっとその方向を見ると俺の周りにいた人達が心配そうに俺を見ながらこそこそと何かを話している
『どうしよう、目があっちゃった』
『あぁ、関わり合いになりたくなかったのに』
『誰か、あの人に声かけないのかな？』
その人達から聞こえてくる声に思わず自分の耳を塞ぐ
しかし、それでも俺の耳にはネガティブな声が聞こえる
やだ、ここにいたくない…
そう思った俺は、耳を塞いだまま人ごみの中を必死に掻き分け無我夢中でその場から逃げた
どうする？ここには手首を切れるものがない
早く安心したいのに…
そう思いながら走っていると、いつの間にか黄色い点字ブロックの内側に入っていた
駅員『こら君、危ないから線の内側に入らないで！』
駅員さんの声とホイッスルの音が鳴り響く
ちらっと右を向くと、電車がホームの中に入っていて
俺がいる場所までくるまでそう時間はかからないだろう
翔「あ、あったじゃん」
見つけた
この場所から逃げる唯一の方法を
これをやったら、俺が死ぬことは避けられないだろう
でも、どうせ俺の居場所はない
生きているだけで邪魔者扱いだ
だったら俺が、この世界からいなくなっても何の問題もないよね？
そう感じた俺は、一歩一歩ゆっくり足を進め
線路に向かって自分の身体を傾けた
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うめパンダ(プロフ) - ゆーかさん» ありがとうございます(*^ー^)ノ♪不定期更新になってしまいますが、応援よろしくお願いします！ (2021年8月5日 8時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか(プロフ) - 初見です！今日この小説を見つけて一気にここまで読んでしまいました笑この先が凄く気になります！これからも頑張って下さい！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 8f1f91b32d (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - 名無し56631号さん» ありがとうございます(*￣∇￣*)そう言っていただけると嬉しいです！ (2021年7月27日 18時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56631号(プロフ) - 最近読み始めました！！とても面白いです…更新楽しみにしています (2021年7月27日 9時) (レス) id: 2035d75108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年7月12日 23時
