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第一話 朝の道場 ページ3





 先程報告があった通り、僕は道場に迷うことなく足を進めていた。二階から一階へ階段から降りる時に一年生の教室をチラリと見てみたが、程の生徒がいなかった。



「はぁ」


 思わず溜息がでてしまう。本当に決闘が行われているならば、それはそれは面倒くさいことになる。別に決闘をするのは別に構わないのだが、それを行い騒ぎを起こした結果、やってくる"暴力"が嫌なんだ。





「うおおおぉぉっ!全部本!!」


 道場の扉を開けるなり目に飛び込んで来たのは、三年生の持田君の髪の毛を毟り取ったパンツ姿の一年生。審判が赤の旗を上げた途端、周囲の生徒は大きな歓声を上げてその一年生に駆け寄って行く。


 いったい何故、竹刀を使わずに、それでもって髪の毛を毟る行動をとったのか理解できないけど、彼で例えるならば草食動物を守るためにその場で声を上げた。




「おはよう、皆。朝から元気だね。」



 小さくもなく、大きくもない凛とした声が道場中に響いた。ざわざわと騒がしかった生徒が一斉に静かになって、皆一斉に振り返り視線が僕に必然と集まる。




「う、うそ!百日紅さんだ」

「どうしよう・・・」



 さっきまでの元気はどこにいったのやら、恐縮しだす生徒達に安心を与えるために微笑む。




「次からは気をつけてね。ああ、それにしても持田君の髪の毛どうしよう。海藻でも食べれば伸びるかな?」



 流石にこのままでは頭が可哀想だ。ビタミンを取れば伸びやすくなるって聞いたけど、しばらく持田君の頭は虚しいままだね。

 ・・・それよりもだ。集まったままの生徒に指示を出す。




「皆、ここは僕が片付けておくから教室に戻ってね。先生に怒られてしまうよ?」



 そうすれば集まっていた生徒は謝罪をして急いで道場を出て行く。




「はあぁ・・・」


 片付けようと床に放置されたままの学校の備品の防具と竹刀を持った瞬間、普通ではない重さになっているソレにさらに深い溜息を吐いた。


 さて、あの暴君になんて言い訳をしよう。





第二話 雲雀恭弥→←生徒手帳



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天霧(プロフ) - とても面白かったです。次の更新待ってます (2021年6月15日 21時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - とても面白かったです。更新頑張って下さい! (2021年3月8日 17時) (レス) id: 26b975bb56 (このIDを非表示/違反報告)
アル - えっ!?すっごい面白いです!続きがめちゃめちゃ気になります!ゆっくりでもいいので更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年8月17日 1時) (レス) id: 327b6bf4ac (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年7月16日 3時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
朱咲(プロフ) - 素直に面白いです。更新頑張ってください (2018年3月5日 17時) (レス) id: f509419ddf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空天 馬 | 作成日時:2018年2月1日 22時

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