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幻想のなかで ページ39

臣Side




毎日のようにあの海に通った




平日は仕事が終わり次第電車に飛び乗り終電の時間までそこにいた



週末は近くのホテルに泊まって一日中海に居続ける





いつかひょっこり帰ってくるんじゃないかって…






可能性は低いことをわかっていながらも
出会いと別れの場所になってしまった海で待っていた






姿を消した日の夕方から携帯に電話しても繋がりもしなくなった







捜索願を出そうにも俺は彼女のことを何も知らなかったことに気づく







知ってたのは「わかな」って名前と、一緒に過ごした時間だけ






会う時はいつも俺の家だった






周りのやつは口を揃えて彼女は亡くなっている。忘れろ。という







でも、






僅かな希望だけを頼りに自然と足がここに向かっていた









気づけば5年通っていた









「お!今日も来とんやな」






通ってるうちに仲良くなった釣り人の健二郎くん






「相変わらずやで」





相変わらず。
それは俺がこれなかった日に誰も来てないということ




「臣ちゃん、ええ男なんやから新しい恋せぇへんの?もう5年やったっけ?」






もう聞き飽きた言葉を健二郎くんは初めて俺に口にした






「一緒にいたのなんかたったの5か月だけなんすけど…ね」




「時間じゃないってことか……なぁ。臣ちゃんぐらい男前やったら女の子ほっとかんやろ?」




「そんなことないっすよ。そんなできた男だったらあいつはいなくなったりしてない…」




「なんか理由あったんやろ」




「時々、幻だったんじゃないかって思うんですよ。たった5か月……俺の幻想だったんじゃないかって。でも、写真残ってるし、あの指輪も存在してるんです」



「物があると現実やったってことやもんな」



「死んで…わかなはこの世にはもういないかもしれないって頭ではわかってるんですけど、その証拠もないし」


「まぁ生きとったとしてもここに戻ってこんゆーことは他にいい人に巡り会えとるかもしらんしな」


「そうっすね…あいつが幸せに暮らせてるなら…それが1番いいと思ってます」



「なんや、俺が幸せにしてやるって奪いにいかへんのか?」


「……俺矛盾してるんです。
結婚…してるんです」




「はぁ?け、結婚??その子と結婚しとったってことか?」

.→←銀細工



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あおのすけ(プロフ) - さくさくぱんださん» コメ返遅くなりました…すません。何回も読んでいただいてありがとうございます。私も見習って読み直して矛盾がないか確認しなくては……おかしい所あったらこっそり教えてくださいな (2017年12月1日 19時) (レス) id: 40b9aa3707 (このIDを非表示/違反報告)
あおのすけ(プロフ) - ヒザゲラーさん» コメ返遅くてすみません…続編始動しました。またお立ち寄りください。 (2017年12月1日 19時) (レス) id: 40b9aa3707 (このIDを非表示/違反報告)
さくさくぱんだ(プロフ) - 更新ありがとうございます!ほんとに好きな作品で何回も読んでます!更新がんばってください☆ (2017年11月29日 22時) (レス) id: 5f8834ff0d (このIDを非表示/違反報告)
ヒザゲラー(プロフ) - 更新待ってました!続きが気になります (2017年11月29日 13時) (レス) id: caf66f61e1 (このIDを非表示/違反報告)
あおのすけ(プロフ) - やちぱんさん» 返信遅くなってすみません。毎回遡って読んでいただけるなんて…嬉しいです。私も見習わなくては…そろそろ話が合わなくなって来そうで怖いです。笑。更新しばしお待ちくださいませ。 (2017年11月12日 8時) (レス) id: 40b9aa3707 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおのすけ | 作成日時:2017年7月2日 13時

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