我が家の教訓3

前日 ページ49

実家帰省を明日に控えた夕方
歩いて家に帰っている最中

父からの電話


健≪明日何時につくんやった？》

≪迎えにきてくれるん？≫

健≪まぁ…ELLYが行けいうからな≫


そんな父の発言の後ろでエリーさんの「俺行ってもいいですよって言っただけですよ」って声が聞こえ、
それに対して父が「お前いらんこと言わんでええねん」って２人の仲の良さが伝わってくる会話が聞こえる


健≪まぁそういうことやから気を付けて帰って来いよ。あ、そうや、あの彼は一緒にくるんか？≫


実は先週の隆二くんのプロポーズ？を受けてから父には彼がいることは伝えた
一瞬沈黙だったけど、


健≪ほうか。近いうち紹介してな≫


って言っていたから今回一緒にくるかもと思ったのかもしれない
実家に帰ってから言ってもよかったけど、なんか直接いうのも恥ずかしいから電話で伝えただけだったけど結構気にしているのかもしれない


父には今回は１人で帰ると伝え電話を切り家に戻ると既に隆二くんが家にいた


「あれ？今日来れないんじゃ…？」

隆「明日からしばらく会えないから無理言って時間つくってもらっちゃった」


そう言ってふにゃっと笑う隆二くんがたまらなく愛おしい


隆「でももう行かなきゃ」


本当に一瞬。でもその時間を夜のお仕事の支配人に怒られながらも時間をつくってくれたんだなと思うと玄関で靴を履く隆二くんに抱き着いた


隆「うわ。どうしたの？普段こんなことしないじゃん」

「いってらっしゃいのハグです」

隆「じゃあ俺からも」


ギュっ


隆「いってきますといってらっしゃいの挨拶ね。二郎さんによろしく」

「うん。さっきも隆二くんも一緒にくるのかって聞かれた」

隆「え？俺の存在知ってるの？」

「うん。今度紹介しろって言ってた」

隆「やっと噂の二郎さんに会えるんだ。楽しみ。でも緊張する」

「また落ち着いたらお互いの家行く日程決めようね」

隆「うん。あー離れたくない。このまま今日ここにいようかな」

「ダメだよ。怖いんでしょ？また怒られちゃうよ？」

隆「めっちゃ怖い。今も５分遅刻とかって怒ってそう」

「ふふっ。いってらっしゃい」

隆「いってきます」


最後に更にギュっと抱きしめてくれて家を後にした


隆二くんの温もりがなくなって寂しいけど、全くしていない荷造りをはじめた

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