我が家の教訓3

後輩の成長 ページ33

晴れて恋人になった私達だけど生活自体が大きく変わることもなく
お互い仕事に勤しんでいた



今日は土曜日の昼過ぎ
明日の仕込みをしているはずの隆二くんが突然家にやってきた


隆「ねぇ。これ食べてみて？」


家に着くなり麺をゆでだした隆二くんが私に出したのは一杯のラーメン


また新作かな？と思ってラーメンを食べてみる


「おいしい。でも、なんだろう隆二くんぽいんだけど、何か違う？なんだろう？新しい感じ」


感想を述べると途端に嬉しそうな表情を隠しきれないって様子の隆二くんが微笑んでいる


隆「それさ、数原が作ったスープなんだよ」

「数原くんってバイトの？」

隆「そうそう。アイツすげー努力家だから今日試しに作らせたら、すごくね？まぁまだ商品として出すには改良が必要だけどさ」


そういって嬉しそうな隆二くん
ココの所隆二くんは自らの新作を作りながらも後輩を育てることにも力を入れている

今までのレシピを惜しげもなく教えて、後輩の成長を楽しみにしている

同じ店内にライバルがいると刺激になるし、何より俺だけしかこのラーメンを作れなかったら今のままで終わってしまうけど、同じ味を作れる人が増えると昼だけでなく夜も営業できるようになるかもしれない。それに自分に万が一何かあった時にこの味を継いでいく人がいると安心だとか。


そんな後輩の成長がかなり嬉しくてまだ仕込み途中だっていうのに抜け出してきたみたいだ


どこまでも器の大きい人だ
私からのラーメンの感想を聞くと


隆「今日晩飯なに？楽しみにしてる」


って急いで仕込みに戻って行った


相変わらず昼はラーメン屋、夕方にうちで食事したら、夜は別の仕事に行ってしまう。
隆二くんは日本の法律じゃ考えられないほど無休だった。


隆「自分が好きなことしてるから全然苦じゃない。でもAと出かけられないのは申し訳ないなっていつも思ってる。今度絶対休みあわせるから」


って言ってくれるけどこの前の京都旅行の前も１泊２日の休み調整するだけで旅行前１週間激務だったのを知っているからあまり無理はしてほしくないなと思ってしまう

素敵なヒト→←運命のヒトだといいのに

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