【 CS 】酔生夢死【東カニ】 (ページ41)

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【過去(続き)】

高校進学を考えなきゃいけなくなってきた頃には、家にほとんど母は家に帰らず、帰ってこない母が学費なんて出してくれるはずもなかったため、家から行ける範囲で、かつ、百瀬が成績優秀者に入り学費を免除してくれる学校に通うしかなかった。しかし、高校に入学するよりも前に、百瀬に一通の手紙が届く。宛名は自分宛、送り主はエリミネーター管轄機構。開くとそれにはエリミネーターになるために東京に来るように、といった内容が書かれている。
その手紙をたまたま帰ってきていた母に見せると、母は喜び百瀬の手を取った。「もう貴方を育てる必要は無いのね！自分で自由に東京で暮らしたらいいわ！あの男もたまには役に立つのね！」と喜びながら百瀬が東京に行く準備を進めた。これほどまで母親を心底軽蔑した日はなかった。

"この指令に背くのならば犯罪者と見なす"といった旨も書いてあっては東京に行くしかない、と腹を括り16歳にして1人で東京で暮らすことになった。
とは言っても高校1年生の女の子1人で暮らすなんて、なかなかできることではなかった。親から雀の涙ほどのお金をもらい生活を始めようとするもはやり引越し費用だけでなくなってしまう。なんならそれすらも足りないくらい。食事を抜いて貯めていた貯金から足りない分を補うも、やはりどうしても足りない。そうして、足りない分を自力で補わなければ、という強い意識から、16歳の頃から積極的にエリミネーターの仕事を引き受けていた。エリミネーターの仕事は学生が稼ぐには割がよく、ギリギリだったが学校に通いながら生活ができていた。また、16歳の頃に自身の姉を騙る人物に金銭的に援助(断ったが強引に渡してきた)してもらったりもしている。

その後は無事に高校を卒業し、エリミネーターの仕事を本職にし生計を立てるようになる。エリミネーターの仕事に本腰を入れられるようになったのは彼女にとってかなり大きい。金銭的な余裕ができるようになったことから、母とも縁を切り、エリミネーターを本職とする上で赤川と名乗れないのは面倒なため、苗字は父親の苗字を貰うこととなった。父にも勿論関わるつもりはなく、父が現在どんな状況にあるのかはおろか、顔すらも知らないが、そんなことは到底どうでもよかったようだ。

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