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「 ほんとに嫌い、顔も見たくない、今日はもう帰って。誰とも話したくない気分なの。そう、不機嫌よ。めちゃくちゃね。綺麗じゃないアタシなんてアナタには見て欲しくないもの、早く出てって 」

「 ワタシは自分が世界一綺麗だと思ってるわ。……でも、それでも、ふとした瞬間に鏡に移る姿だとか、暗くなったスマホの画面に映る顔とか、気を抜いたときに、私の顔が母親そっくりに見えて。あぁ、考えただけで吐き気がする。気持ち悪い 」

「 軽々しくして軽率でつまんないところがそっくり。アンタは覚えてないんでしょうね、出てった母親にそっくり。顔立ちがあの女を彷彿とさせる。髪色はあの男に似てるのね。父親ではないわよ、私からしたらね。アナタからしたら父親なんでしょうけど。アタシは今まで義理の父親になった男を何回も見てきてる。アナタの父親もその1人。顔も名前ももう誰1人思い出せないわ。……あぁ、可哀想に。あんなクソアマから生まれた私の弟なんて事実が 」

「 本当は許されていたかっただけなの。本当に。こんなに汚い人間の出来損ないでも綺麗って言ってくれるだけで良かったの 」

「 アタシ、顔怪我しちゃった。どうしようどうしようどうしよう。跡が残ったら?後遺症が出たら?肌がぐちゃぐちゃになったら? ああ、アタシ顔以外に取り柄なんてないのに。ねぇ、アタシの顔が少しでも醜くなったらその時はアタシのこと殺してくれる? アタシ、自分が人よりも醜い姿でいるなんて耐えられない 」


「 アタシもあの尻軽女と同じ、本質は変わらない。アナタはアタシを買い被りすぎてる。アタシがエリミネーターになったのは世のため人のためなんかじゃない、お金のためだもの。ずっと昔から!今もそう!生きるのにはこうするしか無かったのよ!それとも何か?もっと最底辺まで落ちて暗いところでジメジメした生活送ってれば良かったわけ?正解があるなら言ってみなさいよ 」

「 カニバリズムを許せないなんて思ったことは1度もないわ。生きるのに必死なのはアタシも同じだったんだもの。お互い様よ。利害が一致しなかったから殺し殺されの関係になってしまっただけの事だから。アタシも生活のために彼らを殺してるし。お互い様よねー 」

「 アタシは悪人なんかじゃない。カニバリズムなんかじゃない。アタシはずっと人間として生きてきたのよ。誰がなんて言おうとアタシは人間よ。……そんなに冷たい目で見ないでよ 」

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作者名:兎依 | 作成日時:2022年11月2日 22時

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