うぎょるぎゅ

42.呆然 ページ42

オッパに声をかけられて、
我に返る。

いけない。
このままここにはいられない。
キュヒョンオッパが危ない。
誰かに見られたら。


まだ震える足を無理やり動かし、鍵を開けてとにかくオッパと一緒に部屋に入った。


・・・・呆然とする。
もう、何に泣いているのかもわからない。

混乱して、苦しい。

怖かった。
本当に怖かった。

助けてくれたオッパ。
キュヒョンオッパ。

オッパは彼が誰だか知ってたの？
どうして知ってたの？

オッパには、知られたくなかった。

ただひたすら、悲しかった。

ミンギが取った行動も。
オッパを巻き込んでしまったことも。

ただ、自分を責めることしかできない。

私は何もできなかった。

狂っていくミンギを止めることも、
自分の身を守ることも、
オッパを守ることも、


何も。

何もできなかった。


オッパがそっと体を離した。

胸元から温かさが逃げていく。
回してくれた腕がほどかれて、
肩にオッパの手がかかる気配。

ああ。
ずっと、泣いていた自分に気付く。

ずっと、抱きしめていてくれたんだ。

オッパ・・・。

しっかりしないと。
オッパにどれだけの迷惑をかけているのか測り知れない。

ここは。

玄関だ。

私はオッパがこのまま帰りたいのか、それともお茶でも出したほうがいいのかとか、
ちょっと混乱していて。

「・・オッパ、ごめんなさい。。。」

何を話せばいいのかもわからず、
とにかく謝った。

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