うぎょるぎゅ

29.吹っ切れる(KH) ページ29

放送は恥ずかしすぎて直視できなかった。
・・僕も、そしてヒョンたちも(笑)。

それでも散々からかわれたけど、
ソンミニヒョンだけは、あとになってブラックを仕舞い込んで僕に話しかけてきた。

SM「キュヒョナ、・・本気なんだね。」

何も返事しなかったけれど、
きっと僕の気持ちを正確に理解してくれているだろうヒョン。
僕は少し笑って、

KH「彼氏がいてるみたいです。」
と、切ない事実だけを告げて会話を終わらせた。

放送後、Aからメールが来た。
ドラマの撮影が終了したらしい。
前回の体調不良を詫びる内容と、次回がんばります、的な。
そんなメールだった。

それでもうれしくて、
僕もすぐに返信したりして。

なんだか微妙な距離感のあるやり取りの中、
次にメールするときはもう少し仲良くなりたい。
僕が実際に恋人になれることはなくても。
ただそんな風に考えてた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今週のウギョルは前回のリベンジで、
新居で彼女の手料理、が半日撮影で、
その次は一日がかりでお出かけらしい。

現場で彼女が視界に入った瞬間、


・・・なんだか。


本当にどうでもよくなった。

辛気臭ーい自分。
・・バカじゃないの？

告白もせずに切ない心境になっちゃって。
なに一人悦に入ってたんだ？
せっかくの久しぶりの恋なんだ、
僕にだって楽しむ権利はある！！

だいたい、彼女の口から彼氏の存在を決定づける発言を聞いていない。
自分が勝手にそう思ってるだけかもしれない。

もういいよ。
どっちみち僕の心の中からAを追い出すことなんてできないんだ。
それならベストを尽くすべき。
それが男ってもんだろ。


急に、吹っ切れた。

なんでだろう。


あ。

きっと、この前の曇った表情がなくなった、
笑顔の彼女を見れたから、かな。

顔色も悪くない。
体調も大丈夫そう。

よかった。


A、僕は本当に、君の笑顔ひとつで幸せになれるみたいだ。

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