回避特化と集中。 ページ20
｢……ふぅー……｣
浸透していく水の中、深く息を吐いたサリーの脳は、急速に冷えていく。
こういう時こそ落ち着いて、最後まで焦らずに。
そう言い聞かせる彼女の脳裏、現実での巧との記憶が流れてくる。
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｢やべぇよHP1しかねぇ｣
｢こっちもミリ！ ウルトももう切っちゃったしまずい……！｣
それは、いつしか二人で出場した、ゲームの学生大会。
体力ギリギリまで追い込まれ、逆転の切り札ももう使ってしまって無い。
そんな中焦る二人、ここで負けては全てが台無しになってしまうという思いが加速していく。
……しかし、それに連れてここで失敗する訳には行かない、絶対に勝ちたいのだという思いが沸々と沸き上がってきた。
｢……敵の侵入経路は？｣
｢えっとだな、一階の窓かドアか二階の窓か三階の屋根、だけど今は高機動持ちいないから来ても一階から二階部分！｣
｢おっけー、屋上に立て籠れる？｣
｢射撃キャラはいない、行けるな！｣
一周回って冷静になった二人は状況を整理し合い、最適解の行動を導き出して凌ぎ続ける。
｢……来たよ｣
｢おう……集中……！｣
残すはラストワンペア。
下の階から迫る足音を慎重に聞き分け、大きく息を吐く。
パンッと乾いた音が二つ鳴ったと同時、理沙の意識は一気に集中していく。
｢｢……来た｣｣
重なる声、敵を先に視認したと同時、まるで時間が遅くなっていくような錯覚に襲われる。
極限まで集中した二人の手元は凄まじい勢いでスティックを弾き、ボタンを押していく。
今まで味わったことの無い精度。
そこから紡がれた緻密な連携プレイで、巧が最後に囮を買って勝利したのだった。
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そして今、再びその感覚がサリーを包む。
あれ以降地道に練習を重ね、自ら積み上げてきた技術。
全てが遅く遅くなっていく中、サリーだけはその全てを知覚できる。
安置の場所を正確に把握できる。
体の角度、魚の微妙な目線、そこからビームの標準を察知する。
泡の密度からどこに集まれば不味いのか即座に判断する。
その全てが常人を逸するものであり、チートの名を冠されても文句は言えない程の、未来予知にも似た超先手の技術。
巧と共に作り上げていた、完璧なまでの
｢……さぁ、行こう｣
サリーの目が、静かに据わったものとなった。
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リョウナ - 深緑クロロさん» ありがとうございます！！お互いに頑張りましょう！！ (6月21日 8時) (
レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
深緑クロロ(プロフ) - リョウナさん» ありがとうございます、そう言っていただき嬉しいです！自分も誰かに助言なんて言える立場じゃないんですが、とにかく自分のやりたいように楽しく書いていくのが一番だと思っています。何事も楽しくなければ良い物を作ることは出来ませんから。お互い頑張りましょう！ (6月20日 17時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ - この作品、めちゃくちゃいいですね！！あと、書くのが上手すぎます！！それで、もし出来たらなんですけど、うちの作品にアドバイスをくれませんか？お願いします！！これです→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/heoaud/ (6月20日 15時) (レス) id: 25016b7547 (このIDを非表示/違反報告)
黒炉@深緑ノ支配者@全初卓部員(プロフ) - 幽霊さん» ありがとうございます！これからも更新続けていくのでよろしくお願いします！ (5月11日 16時) (レス) id: 3d6a53223e (このIDを非表示/違反報告)
幽霊 - この作品好きです！めっちゃ大好きです！！更新とか頑張ってください！！ (5月11日 13時) (レス) @page29 id: fbfc17f9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロロフィル＠深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ：No.
作成日時：2023年2月25日 15時
