Nightmare Game ～炎雷煌めく血塗れ回廊～ (ページ18)

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スパイダーサイダーって美味しいよねページ18

次のエリアの最初は円柱のような足場を渡っていき、上へと昇っていく。

｢ラダーは無いのか｣

代わりに先に待つのは横に並ぶ二枚の板。

これに張り付いて進めということだろうか。

もちろん落ちれば即死だ。

｢…デスゲームって何だったか…よっと｣

両手両足を突っ張り、難なく進んでいく。

更に先に待つのは逆流。

その流れの先には回転する鋭い刃。

｢…ワンパターンだなぁ…｣

愚痴を漏らしつつ泳いでいく。

この程度、数々の死線を潜り抜けてきたマールドには障害にさえならない。

あっさり流れを乗り越え、対岸へ辿り着く。

もはやデスゲームというよりただのSAS○KEになっていることはもう気にするな！

今度は宙に浮かぶ3本の支柱。

｢…めんどくさい…｣

しかしもう色々と疲れたマールドは空中にバリアを張り、その上を駆け抜けていく。

…最初からやれよ。

無駄に再現度の高いギミックを完全に無視し、とっとと最終エリアまで来てしまった。

｢お、マールドも来たな！｣

目の前に垂らされた一本のロープ。

そしてその上にはこちらを覗き込む巧の姿があった。

｢…最後位きちんとやっか…｣

腕二本だけで体を持ち上げ、次々上っていく。

｢よっ、ほっ、たっ…ぷぅ｣

一旦腕を止め、入ってきた場所を見下ろせば、ここまで辿り着いてきた者達が次々入ってくる。

ある者は喜びに打ち震え、またある者は最後に立ちはだかる関門に絶望し、膝から崩れ落ちる。

しかし一向に例の化け物の姿は見えない。

｢…もう一方の道に行ったのか？それともあの道で詰まったか、あるいは…いや、流石にねぇか｣

そう考える間にもマールドの高度はどんどん上昇していく。

そしてとうとう…

｢よーしゴール！｣
｢お、お疲れ｣
｢ぐあ｣

隣には先にここまで来ていた巧とフレアの姿があった。

そして。

｢…あ？お前もいたのか｣
｢あっ！マールド！｣

猫と月もこちらに気が付いたようだ。

｢もぉ嫌だァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!｣

散々苦しめられてきた相手がいると知り、絶望するマールドの叫びが響き渡る。

…しかし、彼はまだ知らない。

月や猫の存在はまだまだ序の口でしかないのだということを。

やがて迫りくる過酷な“本戦”のゲームとも言えぬ理不尽の数々を。

己の胃痛はまだまだ収まることを知らぬことを。

エリア寸前で崩れ落ちる者達とは違う意味で絶望するマールドには、到底知りえない、というか考えたくもないことなのであった。