不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

ちび夢主 33 ページ16

エースはそのうち
Aの頬に手を伸ばし始めたので
彼女が不機嫌にならないうちに制する


「やめろ、食べさせづらいよぃ」


「えー、ちょっと、ちょっとだけ!」


「あ、こら!」


ぶに〜とエースがAの頬を
ごっつい手で覆うように触ると
Aの目から光が消え始める


「う・・・う・・・」


「エース!やめろよぃ!」


「可愛いほっぺ〜
もちみてぇだな!」


「う〜・・・・」


「お、そろそろやばいか」


エースはちゃんと止め時を理解したようで
すっと素早くAから手を離した


「んん”〜〜〜〜」


「へへ、ごめんごめん」


「次はないと思えよぃ」


「あう!」


「はいはい・・・」


エースは口笛を吹きながら
食堂を出ようと背を向けた
しかし、瞬時にまた振り返り


「隙あり!!」


ぶにっとつまんで触ろうと企んだが
残念、お前が今触っているのは


「俺だよぃ、アホンダラァ」


「きゃーう!」


「ギャアアアアア!!
もちもち肌感触返せぇぇぇい!
もう一回触らせろ!!A!!」


「だめだよぃ!
さっさと寝ろ!」


Aの前を立ち塞いで
小僧から守っていると
厨房からサッチがやってきて
エースの耳を掴んで叱った


「食事中に埃たてるな!
遊ぶなら食べ終わってからにしろ!」


「いでで!わ、わかったよ・・」


「それに赤ん坊の食事中を邪魔しやがって!
いいか、エース、お前にいかに赤ん坊が
繊細な生き物だということを
叩き込んでやるからこっち来い!!」


「ンギャー−−−!!!」


エースは叫び声をあげたが
堪忍したようにサッチに
首根っこを掴まれて
厨房の奥へと連れていかれてしまった

はぁ、まったく
べたべた触りやがって、と
Aにご飯を食べさせる前に
濡れたタオルで少し顔を拭いた


「んん、あーう・・・」


「大丈夫だよぃ
食べ終わったらお風呂に入って
スッキリしてこいよぃ〜」


「ううう〜!」


彼女は満面の笑みで
頷きながら、食事を続けた



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Aはナースたちに
風呂に入れてもらった後
髪を乾かして、すぐに
すやすやと寝息を立て始める
自分のベッドにそのまま寝かせて
毛布をそっとかけておいた

今日はたくさん動いたからなぁ
疲れちゃったんだな
優しく彼女の小さな頭を撫でる

いつもなら、彼女の寝顔を見れば
自然と自分も瞼が重くなっていくのだが

どうにも今日は眠れそうにない


頭の中でずっと
あのドラゴンの言ったことが
ぐるぐると巡っている

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