びいだま【オリジナル】 (ページ22)

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学校に行かなくなって、俺は毎日海を見に行っていた。
海岸でぼーっとして、気づけば1時間ってこともよくある。

今日は昼飯も食べてきた。
もう12月だから、冬の海岸はかなり寒い。
かじかむ手をポケットに入れて、来た道を戻った。

家に帰ると、ばあちゃんが仏壇の前で泣いていた。気まずくなって、俺はたまらず自分の部屋に逃げた。

少ししたら、ドアがノックされた。

「何？」

「ソラ、ちょっといいかい？」

さっき泣いてたのを見たから、何か言われるのか。俺は怖かった。

「で、何？」

「学校行ってないだろ、最近。」

「え…。」

実は学校に行っていない事はばあちゃんには隠していた。
制服で出かけるようにはしてたし、ばあちゃんも信じてると思っていた。

「あの海に出かけてるだろ。」

「…うん。」

「どうしたの？」

「嫌、なんだよ。」

「何がさ。」

「全部がだよ。全部俺のとこからいなくなるんだよ。」

「大切な子がいるんだろう？」

「なんで…知ってんの？」

「見てれば分かる。」

「もう、あの子は俺から離れていった。」

「過去を、ひきづるな。」

「どうしても、忘れられないんだよ。」

「ソラ…！私も辛いんだよ。
じいちゃんに先立たれて…。素敵な人だった。私はもう、あの人しか愛さない…そんな人だった…！」