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「おはよう、ソラくん。」
「おはよう、栗田さん。」
俺は栗田さんと、付き合うことになった。
彼女から言われた「付き合ってから好きになる」という言葉に、背中を押された気がして。
栗田さんとの日々は、楽しかった。
彼女は基本的に明るい人。俺のこと、1番に考えてくれてさ。俺、幸せだなって思ったよ。
俺は栗田さんの彼氏だって思うと、自然と微笑んでしまう。
「それ、何?」
栗田さんは、俺の鞄に付いているお守りを指差した。
「ああ、これは、じいちゃんから貰ったお守り。死んだじいちゃんの形見。」
「へえ。素敵なおじいさんだったんだね。」
「うん、これは、俺の宝物なんだよ。」
そう、あの日探した宝物。
結局、姉さんが見つけてくれた。
いつも、袋の中なんだろって思っててさ。だけど、おじいちゃんに言われたんだよ。同じお守りを持ってる子が一人だけいるから、その子に会った時にあけていいって。
「ソラくん、今度の日曜空いてる?」
「うん、空いてるよ。」
「遊びに行かない?」
その時、教室の扉の窓から彼女が見えた。
…メイさん
「ソラくん?」
「あ、いや、何でもない。いいよ、どこ行く?」
「映画とかは?最近話題のとか」
「ああ、いいね。時間決めようよ。」
彼女はもう、いなかった。
なんか、胸の奥を殴られるような感覚だった。
なんか、よくわかんないけど…
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作者名:やま | 作成日時:2019年9月30日 10時