__恋しい__ ページ39
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ついにAは韓国でのレコーディングの日を迎えた。
この提案をしたのはもちろんLDH側で、今回出演するドラマの挿入歌として起用されて、2番組への出演も決まっている。
「よろしくお願いします」
Aはこの日のために準備を続けていた。
デジタル配信での販売も決まっていて、ミュージックビデオの撮影も数日後に入っていた。
この日で全てを済ませてしまわないといけないため、失敗は許されない。
Aは緊張気味にスタジオ入りをして、ウォーミングアップを済ませる。
R&B調のミドルバラードで、コレオの担当もしている。
これから今回の滞在中で1番忙しい数日を過ごすこととなる。
『レコーディング開始しまーす』
日本語を話せるスタッフがそう言えば、緊張感は一気に漂う。
3時間の時間をかけ、Aは無事レコーディングを終えた。
この後さらに3時間ほどかけて編曲などの作業に立ち会った。
【数原龍友 : 仕事どんな感じー？】
【数日忙しい。連絡減りそう】
【数原龍友 : 体調だけは気をつけてな？】
【ありがとう！気を付ける】
結局歌い手の仕事に関しては、龍友には話していないまま。
こうして忙しい1日を終えて、宿舎に帰宅する。
「もしもーし」
ちょうどベッドに入った時に、裕太から電話がかかってきた。
裕「何してるん」
「これから寝ようかなってとこ」
裕「そっちどう？」
「今日レコーディングやってん」
裕太にはバレているので、素直にそう告げる。
裕「え、そっちでもレコーディングしたん」
「うん」
裕「てことはデビューするん」
「そういうことになるな」
裕「えー、マジか。めっちゃ楽しみやん」
「そうやなー。MVももうすぐ撮るで」
裕「じゃあバレるやん(笑)」
「いや、大丈夫やろ」
裕「いや、絶対無理やって。龍友くんAちゃんのSNSの監視員やし、ちょいちょい検索かけてるで」
「え、マジ？」
裕「ん、マジ」
マジかー...、と軽く落胆しているA。
「まぁ仕方ないな」
裕「歌番組出ぇへんの」
「出るよ」
裕「YouTubeで見ると思うで」
「やんなー(笑)」
ストーカーやん、と笑っている。
裕「ほんまやで(笑)」
「あー、ゆうぴと話すの久々や。落ち着く」
そう言うと、大きなあくびをしている様子。
裕「寝たら」
「んー、もう少し話してや」
裕「俺はいいけど。明日何時起き？」
「明日は8時で平気」
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2019年9月6日 20時
