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「うああああもうやだわかんないよおおおおおおおお！！！！」
「え、なに！どこ！！」
ある日の放課後。
成績が著しく悪い俺は、先生に引き止められ、個人指導という名の補習を受けていた。
「これ、ラウール用だから」と渡されたプリントは俺の苦手な問題ばっかで(というか全部分かんないんだけど)俺の脳みそは既に蒸し上がっていた。
「どれ、見せて」
椅子を後ろ向きにしたまま、俺の前の席に座る。近づく距離。先生の髪からは、フワッとシャンプーの匂いがした。
長い睫毛、整った鼻筋、ぽってりした唇。
整ってる顔だな、とは思っていたが(現に女子が騒いでるし)こんなに近くで見たのは初めてで。"可愛い"人だな、と思っていた俺は、その時初めて"綺麗だな"なんて思ってしまった。
プリントを見つめた彼の目が瞬きをするたび、俺の鼓動が高鳴る。
「ねえ、ラウール、聞いてる？」
見惚れていた、と気づくのに時間はかからなかった。
「あ、すみません、ボーッとしてました」
未だに収まらない胸の鼓動を隠すように、笑顔で答える。
モーーッ！！とまたほっぺをプクッと膨らませて怒る先生は、いつもと変わらない可愛い人だった。
夕暮れが照らす、駅へと続く道。
初めて先生と2人で帰った日。
俺の胸の鼓動はまだ、煩く鳴り響いていた。
「ラウールは、やればできるんだから」
あの後先生に教えて貰いながら解いたプリントは、全問正解を叩き出した。
自分のことのように喜びながら俺の頭を撫でた右手は、いつもと違う感触がした。
「ねえ、先生」
「ん？」
「先生はなんで教師になったの？」
「んーーーーなんでだろ...勉強が好きだったから？」
「え！！嘘だあ！！」
「いや本当だって！！」
こう見えて高学歴なんだからな！って笑う先生は可愛くて、2人で子供みたいにはしゃいで帰ったっけ。俺より背の小さい先生と2人並んだ影がなんだか嬉しくて、ちょっとだけ背筋を伸ばして歩いてた。
「じゃ、また明日な」
そう言ってまた俺の頭を撫でた先生の手は、いつもと変わらない暖かくて大きな手だった。
改札の中に消えていく先生に見送った後、俺は走り出した。
いつもの通学路。川沿いの土手道。
鉄道橋の上を電車が走る。きっと先生が乗ってるだろう。
走ったせいなのか、それとも別の理由なのか、さっきよりも早くなった胸の鼓動は俺の耳の中を煩く響かせた。
夕暮れに染まった電車はとても綺麗だった。
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うどん(プロフ) - wさん» すみません、気づきませんでした。外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月14日 10時) (
レス) id: f49343510f (このIDを非表示/違反報告)
w - オリジナルフラグを外して下さい (2019年11月14日 6時) (レス) id: 71eb22e258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどん | 作成日時：2019年11月12日 22時
